【実施報告】みんなの経験共有会vol.25 「地域で<居場所づくり>をやってみた!」を開催しました
みんなの経験や挑戦を市民の知にしていく場「みんなの経験共有会」。今回は7月27日、玉川学園前駅近くの「玉ちゃん図書室」で、みんなの経験共有会vol.25「地域で<居場所づくり>をやってみた!」を開催しました。当日は、対面・オンライン配信併せ14名の方にご参加いただきました。
進行は、町田市地域活動サポートオフィスの杉山が担当しました。
会場の玉ちゃん図書室は、おむすびカフェを開催した場所。本に囲まれたアットホームな雰囲気の中での開催となりました。
一軒家、町内会館、地域のコミュニティスペースなど、3人が活動する場所も活動の対象もそれぞれ違いますが、話を聞いていく中で、「居場所づくりを始める」「人に来てもらう」「仲間と一緒に続ける」ための共通するヒントが見えてきました。
当日のお話から、特に印象的だったポイントをご紹介します。
| ゲスト
・藍葉 真澄氏 (みんなの居場所 ぬくぬく主宰) |

▲左から杉山(町田市地域活動サポートオフィス)、原さん(おむすびカフェ主宰)、田中さん(コミュニティサロンばんば主宰)、藍葉さん(みんなの居場所 ぬくぬく主宰)。田中さんが手に持っているのは、玉ちゃん図書室の運営団体である玉川学園地区社会福祉協議会のマスコットキャラクター「玉ちゃん」のぬいぐるみ。
●登壇者の主宰する居場所について
自宅を開放して行う「住み開きスタイル」で開催しているみんなの居場所ぬくぬく、町内会館を利用しているコミュニティサロンばんば、地域のさまざまな拠点を活動場所にしているおむすびカフェ。アイディアをこらして多様な居場所を展開されています。

▲ みんなの居場所 ぬくぬく 会場:町田市上小山田町の自宅

▲コミュニティサロン ばんば 会場:下馬場町内会館

▲おむすびカフェ 会場:玉川学園コミュニティセンター多目的室4
●経験共有会vol.25のポイント
・「こんな場所があったらいいな」から始めてみる
・居場所づくり3つのヒント
1.毎月、この日に行けば誰かに会える」という安心感が、居場所を育てていく
2.「全部用意する」のではなく、参加者が関われる仕掛けをつくる
3.得意を生かせるように、ボランティアの役割を細かく分ける
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「こんな場所があったらいいな」から始めてみる
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まず伺ったのは、居場所を始めきっかっけです。
田中さんが始めた「コミュニティサロンばんば」は、町内会館が十分に活用されていないこと、そして地域の高齢者が外に出る機会が少なくなっていることに気づき、「もっと町内会館を使って楽しむことはできないか」と考えたことがスタートでした。
最初は認知症カフェのような場から始めたそうですが、「認知症の人はもちろん、もっといろいろな人が集まれる場にしたい」と、開催日を月2回に増やしたそうです。
一方、「おむすびカフェ」の原さんは「子どもに関わることを、仕事ではなくても続けたい」という漠然とした思いからスタート。サポートオフィスへの相談をきっかけに講座への参加やさまざまな人との出会いにつながり、少しずつ「やりたいこと」の形が見えてきたそうです。
「みんなの居場所 ぬくぬく」の藍葉さんは、虐待防止の活動を通して出会った人たちとの交流から、「家に帰ってほっとする」という経験を、まだ持てていない人がいることに気づきました。それなら、自分が家でご飯を作ってあげればいい―そんな思いから、自宅を居場所として開く「みんなの居場所 ぬくぬく」が始まりました。
三人に共通しているのは、「地域の課題を解決しよう」と大きく考えすぎず、まずは「こんな場所があったらいいな」という自分の実感から一歩を踏み出している点です。最初から完成形を決めなくても大丈夫、そんなあたたかいお話もいただきました。
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居場所づくりの3つのヒント
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1.毎月、この日に行けば誰かに会える」という安心感が、居場所を育てていく
居場所を始める人にとって、大きな心配の一つが「集客」です。
「コミュニティサロンばんば」も、最初から多くの人が集まったわけではなく、町内会にチラシを配って「こんなことをやるからおいでよ」と呼びかけたものの、最初の参加者は3人。それでも「来たからいいか」と続けていたところ、少しずつ参加者が増え、現在では「開催日を楽しみにしている」という人が常時15人程度集まる場になっています。
藍葉さんや原さんからも、最初から「たくさん集める」ことを目標にせず、まずは来てくれた方との時間を大切にするようにしているとのお話がありました。「ここに行けば誰かに会える」という安心感が、居場所を育てていくのかもしれないですね。
2.「全部用意する」のではなく、参加者が関われる仕掛けをつくる
原さんの「おむすびカフェ」には、主催者がおむすびを握って提供するのではなく、「参加者自身に握ってもらうというちょっとした工夫があります。数種類のおむすびの具材を用意し、好きなものを選んで自分で握るその時間が、自然な会話のきっかけになるそうです。
そうしているうちに参加者の中から、
「踊りならできます」
「楽器を弾けます」
「絵本を読み聞かせできます」
という人が出てきたそう。原さんがすべてを企画してお願いするのではなく、参加者が持っている「得意」が自然に活動の中に生かされるようになったそうです。
「主催者が全部やる」のではなく、参加者が自然に関われる余白をつくる。食事を「一緒につくる」、得意なことを「披露する」、ちょっとしたことを「手伝う」。そんな小さな役割が、参加者を「お客さん」から「場をつくる仲間」へと変えていくのだなと感じました。
3.得意を生かせるように、ボランティアの役割を細かく分ける
居場所を継続的に続けるには、想いを共にする仲間づくりも重要なテーマです。
「みんなの居場所 ぬくぬく」を主宰する藍葉さんは、ボランティアの役割を細かく分けるという工夫をされていました。
例えば、
* 受付をする
* お皿を洗う
* 庭の手入れをする
* たこ焼きを焼く
など、学校の委員会活動のように役割を細分化したそうです。
実際に、ガーデニングが好きなご近所の方が「玄関のお花を手入れしてあげようか」と声をかけてくれ、今も玄関にはきれいな寄せ植えがされているそうです。「全部やってください」ではなく、「どれならやりたい?どれならできる?」と選んでいただくことで、忙しい人や、毎回は参加できない人も関わりやすくなりそうですね。
そしてもう一つ、藍葉さんの話で印象的だったのが、「主催者が完璧じゃないのがいいのかもしれない」という言葉です。
「ここまでやらなきゃ」と主催者が全部抱えてしまうと、活動は続きません。「ちょっと手が回らなくて……」と正直に伝えると、参加者が「じゃあ私がやるよ」と手を貸してくれる。そうすると、主催者と参加者という関係ではなく、自然と横並びの関係が生まれ、仲間が増えていくのだなと思います。
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参加された方からの質疑応答
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Q1:居場所をつくりたいけれど、場所が見つかりません。
何か探すためのヒントはありますか?
A1:
田中さん: 私は「地域の町内会館が使われていない時間があるな」という発見から、町内会館を会場にするという気づきを得ました。町内会館は市内でも随所にあるので、覗いてみてもいいかもしれませんね。
原さん: 活動を始めた当初から自分で場所を用意したわけではありません。人とのつながりから場所を紹介してもらい、今日の会場となっている玉ちゃん図書室など、さまざまな場所を借りながら活動しています。
私は場所だけではなく、人とのつながりから仲間も紹介してもらえました。周りの人に「こんなことができる場所知らない?」と気軽に話してみるといいかもしれないですね。
Q2:活動資金はどのようにされているのですか?
A2:
田中さん: 「コミュニティサロンばんば」は参加費300円です。町田市社会福祉協議会が実施している<ふれあいサロン活動>として登録をしています。登録できるとふれあいサロン立ち上げの相談や活動費や会場費の一部の補助、広報に関する支援などを受けることができるので、活用させてもらっています。現在市内には74ヶ所のサロンがあり、お茶を飲みながらおしゃべりをしたり、外出やミニコンサートを開くなど、多種多様な活動があります。私たちのサロンでは芋煮会などのイベントを年に1~2回開催するのですが、その際に寄付箱を用意し、皆さんにお心を入れていただくということもやっています。
▼ふれあいサロン・子育てサロンとは?
https://machida-shakyo.or.jp/map-search/salon/
原さん: 「おむすびカフェ」は大人500円、子ども100円、幼児無料で自治体や民間の助成金も活用しています。民間の助成金は申請も事後の報告書の作成も結構時間がかかりますね。助成金は「使える用途」が決まっている一方、寄付は活動のためであれば比較的柔軟に使える良さがあるので、きちんと寄付いただけるようにもしていければと思っています。お野菜のご寄付などをいただくこともあり、皆さんに支えてもらっているなと感じています。
藍葉さん: 「みんなの居場所 ぬくぬく」は自宅を居場所として開放しているため、会場費はかかりません。でも食材費やチラシの印刷費などが必要です。寄付なども活用しながら運営しています。団体紹介のためのリーフレットを作ったのですが、その中にもご寄付のお願いや寄付の振込口座のご案内なども記載しました。また、資金集めができるポータルサイト<シンカブル>にも登録しています。
Q3:集客はどのようにされていますか?
A3:
原さん: facebookや地域の情報サイトへの投稿に加え、別団体のInstagramでも紹介してもらっています。チラシはデザインは一緒ですが、日程や場所を都度変更して印刷しています。LINEグループもつくり、チラシができたら投稿するなど、試行錯誤しながら投稿しています。
田中さん: 町内会へのチラシ配布からスタートしました。最初は3人の参加者だったものの、活動を続けるうちに口コミなどで情報が広がっていきました。
藍葉さん: Instagramを中心に、HPやfacebookなどを実施しています。新しい活動として「子育て中の母親のための睡眠サポート」を実施するにあたり、リリースを作ってメディアに送りました。そこからご縁がつながりタウンニュースに取材いただく機会にも恵まれました。
Q4:居場所を続る中で「大変だな」と思うことは何ですか?
A4:
藍葉さん: 私はフルタイムで仕事をしながらの活動なので、活動日を定例にできないことは大変です。会場である我が家が最寄り駅から距離があるので、集客に苦戦していることです。活動を続ける中で「みんなのために」と頑張りすぎてしまうと自分が苦しくなってしまうので、オーバーワークにならないように気を付けています。
田中さん: やはり、来てくれる人数がきちんと読めないことかな。人数が定まらないとお茶菓子の準備数が決まらないんですよね。今はありがたいことに15人前後来てくださるのですが、最初の頃は多めに用意しちゃった時もあったもんです。ま、でも残ってもみんなで食っちまえばいいよ、そんな感じで今は気楽にやっています。
原さん: 私も同じです。材料を買うために、一応事前申し込み制にしているんです。前回も申込数は5人だったのに、当日ふたを開けてみたら23人来たということもあるので、少し多めに材料をそろえるようにしていますが、まだまだ試行錯誤中です。
Q5:「続けてきて良かった」と思うエピソードがあったら教えてください
A5:
田中さん: とある認知症の参加者の方がいるんですが、最初はほとんど会話ができなかったんだよね。でも続けて来てくれるようになってから、普通に会話ができるようになったんですよ。継続して場を開いていることで、その方にとっては外に出るきっかけになったのかもしれない…って嬉しくなりました。人と人とのご縁の和が広がっていくと、幸せの和になり、それで自分も幸せになる。そんな時間を一緒に過ごせていることが嬉しいんですよね。
藍葉さん: 比較的レギュラーで来てくれる子がいるんです。最初の頃はガチガチに緊張してフローリングに正座してたんですよ。「足痛くなるから崩しなよ」言うと、「はい」って言って崩すんですけど、ちょっとするとまたピッって正座になる、笑。
私は居場所を開催しているときは、冬であれば赤いはんてんを来てこたつに入ってのんびりしているんですけど、その子が何回目かに来てくれた時にこたつに入って横になって寝ちゃったんですよね。「これくらいリラックスできるようになったんだ」ってすごく嬉しくなりました。来てくれる人が「おいしい」と喜んでくれたり、肩の力が抜けたりしている姿を見ると、やっていてよかったなと思います。
原さん: おむすびカフェでは、自分で握るおむすび、具沢山味噌汁、小さなおかずを用意しています。「美味しかったです」と言ってくださるその一言がものすごく嬉しくて励みになっています。言葉でなくても笑顔に出会えるだけで嬉しいんです。
「みんなのためにやってる」とか「地域のための活性化のためにやってる」とか、そんな大げさで立派な目標があるわけではないのですが、私自身がこの活動を通じて色々な方とで会え、年代関係なくお話をして楽しんでいる…今が自分の人生の中で一番幸せな時期を過ごさせてもらっているのかなと思っています。
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クロージング
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みんなの経験共有会では、最後にゲストの方からメッセージを掲げていただき、クロージングとしています。皆さんにとって「居場所」とは?
田中さん:幸せの園
私も含め、みんなが笑って幸せに集える場所です
藍葉さん:「ただいま」と言える、帰ってこれる場所
第二の我が家のように、みんなを迎えられる場でいたいなと思います
原さん:出会いと笑いと繋がり
色んな人との出会いが笑顔を生む。そのことで色々なことが地域で繋がり合っていくといいなと思います

当日のアーカイブ動画をご覧になりたい方は、サポートオフィスまでメール(info@machida-support.or.jp)でご連絡ください。
<みんなの経験協会|開催レポートバックナンバー>
●2025年度の過去回再開の実施報告は、下記ページからご覧ください。
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