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実施報告performance

実施報告 2026年10月27日

【実施報告】みんなの経験共有会vol.27「福祉の町田を担った市民たち第4弾 ~町田の生活支援団体のあゆみ~」

みんなの経験や挑戦を市民の知にしていく場「みんなの経験共有会」。10月2日、<福祉の町田を担った市民たち>シリーズの第4弾として、地域の助け合いを基盤に、ちょっとした生活の困りごとを住民同士で支える「生活支援団体」の活動に焦点を当て、みんなの経験共有会vol.27「福祉の町田を担った市民たち第4弾 ~町田の生活支援団体のあゆみ~」を開催しました。当日はオンラインを中心に10名の方々にご参加いただきました。進行はサポートオフィス橋本が担当しました。

それぞれ活動を始めたきっかけや、団体の立ち上げ、活動を続ける中で感じたこと、地域とのつながり、これからの課題などについて、リアルな経験をお話しいただきました。

ゲスト

・岩崎 克己 氏(玉川学園地区社会福祉協議会 元理事 玉ちゃんサービス担当)
・玉木 徹 氏(成瀬お助けたい 副代表)
・佐々木 素行 氏(本町田たすけあい 代表)

 

セミナー中の様子。右から岩崎氏、佐々木氏、玉木氏、サポートオフィス橋本。

以下、お話の内容をレポートします。


■自己紹介・団体紹介

玉木さん:
約7年前に生活支援活動を立ち上げ、現在は移動支援をはじめ、庭の手入れや草むしり、掃除や洗濯など、地域のさまざまな困りごとに対応しています。立ち上げ当初は一人から始まった活動を、地域の住民や商店などを巻き込みながら継続・発展させてきました。

佐々木さん:
もともと町田育ちで社会人なってから町田を離れていましたが、約30年ぶりに町田に戻ったことをきっかけに、それまでの地域活動の経験を生かして生活支援団体の立ち上げに関わりました。成瀬お助けたいの活動からもノウハウを学びながら、2025年度に活動をスタートしました。

岩崎さん:
東京大学の市民後見人に関する講座を受講したことをきっかけに、公的な制度だけでは支えきれない「制度の狭間」にある困りごとの解決やお一人様の高齢者に関する問題について取り組んでいます。玉川学園地区社会福祉協議会で「たまちゃんサービス」を立ち上げ、約10年間、地域の日常生活支援に取り組んできました。

経験共有会vol.27のポイント

1 自分が困った経験や地域の課題が、活動を始めるきっかけになる
2 支援する側・される側の両者のハッピーを増やし、困りごとや負担を減らすことが大事
3 活動を続けるためには、無理をしない仕組みと、経験を次の人へ引き継ぐ工夫が必要


■トークセッション


Q1.活動を始めたきっかけや、地域の困りごとをどのように吸い上げてきたかについて教えてください。

玉木さん:
立ち上げるきっかけは女房が入院し、私自身が家事全般で困った経験からです。地域で助け合う仕組みがあったらよいのではないかと、その当時唯一地域の知り合いだったMさんとYさんに相談してみました。高齢者支援センターを通じて人を集めてもらい、最初に集まった10名くらいで約10ヵ月かけて話し合いを進め、立ち上げを行いました。

MさんとYさんとは考え方が全然違うので、最初はよく口論をしました。よかったのは、どんなに言い合っても次の日にはスカッとした関係でいられることですね。立ち上げ準備の際、3人で成瀬エリアの7つの自治会・町内会に協力を頼みましたが全町内会に断られてしまいました。どこも自分たちのやることで精いっぱいなんですね。

最初は、立ち上げのメンバー自身の生活の困りごとを出し合い、ふせんでカテゴリーごとにグループ分けをして必要なサービスを作っていきました。間違っていたら間違っていたで修正し、ちょっと走ってみてダメだったら立ち止まるというスタンスでこれまで進めてきました。

佐々木さん:
立ち上げ前は町田第2高齢者支援センターの担当者の方が積極的に動いてくださって、その方の動きもあって2024年10月に自治会を通じて約4,500枚のアンケートを取りました。177件の回答があり、決して多くはないのですが、地域にどのような困りごとがあるのかということに加え、「手伝いたい」「利用したい」「応援したい」という人がいることについても分かってきて、大きな原動力になりました。集計結果をもとに立ち上げに関わる20名くらいで菅原神社に集まり話し合いを行いました。

本町田たすけあいでは、玉木さんから成瀬お助けたいの活動のノウハウを教えていただき、参考にしながら自分たちの地域に合った形を考えてきました。おかげさまでアンケートを取った3ヵ月後には団体を立ち上げることができ、スピーディーに進んでいきました。

岩崎さん:
地域の住民懇談会などで「ちょこっとした困りごとを支える活動」について話し合うところから始まりました。最初は住民の反応もあまりなかったものの、私自身は、他地域ですでに取り組まれている活動を調べ、実際に話を聞きに行くなどしながら、説得するためのデータを集めました。そんな中、町内会の方が市に直接交渉し、地域に対しアンケートを取ってほしいということで依頼をしました。その中でちょっとした困りごとに関するニーズが高いということが分かり、地域住民からもやってみてはどうかという声が挙がりようやく動き出しましたが、布石にはたいぶ時間がかかりました。その間、千葉で活動している団体に町田に来ていただいて講演会を行ったりもしました。

 

Q2.活動を支える「協力者」をどのように増やしてきましたか?また、利用者にはどのように活動を知ってもらっていますか?

玉木さん:
成瀬お助けたいは立ち上げ当初は10数人だった協力者が、現在は55~56人ほどになっています。当時60歳定年だったのですが、今は65歳、70歳と引き上げになっています。協力者の中心が70代になってきて、なかなか運営は厳しい状況にあります。

町田市では自治会の加入率が年々下がっている状況なので、自治会だけでは必要とする人に情報が届きません。成瀬お助けたいでは年2回チラシを作って成瀬・西成瀬・成瀬台地区に全戸配布で活動を周知しています。チラシの表には利用者の募集、裏面には協力者の募集を載せています。活動の中で訪問した家の冷蔵庫に貼られていたりすると嬉しいですね。また、地域の医療機関や商店などにも協力してもらう賛助会員という仕組みを作り、協賛金での応援のほか、医院や店舗などにチラシを掲示していただいています。

チラシの全戸配布は協力会員に声をかけるとたくさんの手が挙がります。25人くらいの会員にやってもらうと1人200件くらいです。自分たちの住んでいる地区は自分でやりたいという声が多いです。年に1回、それだけやってくれる人もいます。なぜやりたいのか分からないのですが(笑)、お助けたいとして顔を知ってもらうということできるからでしょうか。

岩崎さん:
成瀬お助けたいの取り組みで私が尊敬しているのは、協力者の皆さんとの集まりがありますよね。我々は普段はコーディネーターだけで集まっていたのですが、玉木さんに聞いたので協力者も呼びかけて集まりを開催してみたのですが、なかなか協力者の方に集まってもらえない状況です。

玉木さん:
年に1回、協力会員と賛助会員が集まる納涼会を行っています。社会福祉協議会や高齢者支援センターの方をお呼びすることもありました。また、月に1回の協力者との定例会の後にはお茶とお菓子を用意して交流の時間を作っています。毎回、25名くらいは何も言わなくても出てきてくれます。

佐々木さん:
成瀬お助けたいでアルコールの場を用意していると聞いて、お酒や食べ物など持ち寄りで集まりを実施しました。毎月定例会はやっていてそのときは皆さんからぽろぽろ意見が出てくるくらいなのですが、やはりお酒の力は強いですね。80代近い方が「久しぶりに笑ったわ」と言ってくださったり、メンバーの中に同じ高校出身だった人がいることがわかったり、距離が近づき嬉しかったです。

玉木さん:
そういった交流はとても大事ですね。成瀬お助けたいでは夏に草刈りの要請がとても多いのですが、暑い中1人だととてもできないので、2~3人で行ってもらいます。そういったときに協力者同士顔を知らないことがあるんですね。懇親会をやっていることでお互いが顔見知りになり、その分活動もスムーズになりますね。

佐々木さん:
町田市では生活支援団体ネットワーク会議を年に2回開催されていて、本町田たすけあいも参加しています。そこで挙がる課題のほとんどは、団体の高齢化です。以前に比べて定年の年齢が引き上がり、平日に活動できる人が少なくなっているのが悩みの種です。若いメンバーはいるのですが、平日動ける人が少ない状況なので私が代表ということもあり、けっこうな頻度で活動してしまっています。移動支援も9月から始め、ドライバーとして登録してくれたのは4名ですが、安全な移動に対する精神的な負担が大きいことから、まだ私しか活動できていません。依頼は来るけど応えられていない状況です。

岩崎さん:
2ヵ月に1回出す地区社協ニュースで具体的なケースを通して定期的に勧誘しています。あとは口コミや町田第3高齢者支援センターからの紹介が多いです。高齢者支援センターには困ったときは相談するし、反対に支援センターから相談が入るということもあります。

移動支援については玉ちゃんサービスだけでは協力者を集めるのが難しく、NPO法人玉川学園地区まちづくりの会で移動支援を検討しているとのことだったので、今お手伝いしています。6月からスタートして、口コミと高齢者支援センターの中だけで広報をスタートしたのですが、驚くペースで依頼が入りました。はっきりいって調整は大変です。ドライバーさんが集まらなければキャンセルさせてもらっています。日常生活支援と移動支援の調整はまた違うものが求められますね。

 

Q3.やっていてよかったと感じたこと、難しいことや大変なことは何ですか?

玉木さん:
活動に行って終了すると、7~8割くらいの頻度でお茶菓子が出ておしゃべりをします。私も幸せな気分になります。支援をきっかけに、地域の縁ができるのはとても嬉しいです。

難しかったこととしては、自己分析すると私はあるべき姿を追求する頑固型で、立ち上げメンバーであるもう1人は全体を見てまあまあと収める型。もう1人はどんどん先行していくタイプです。ぜんぜんキャラクターが違うのでしょっちゅう口論していましたが、多少間違っていてもやってみて直せばいいというのは、自分の中では学んだことでした。

佐々木さん:
誰かのお困りごとが一つ解消されたという実感を感じられることです。ありがとうという言葉やお茶菓子も嬉しいです。ここまで大変なことばかり話してしまいましたが、いいことも沢山ありますよ!(笑)
また、町田市から立ち上げ費用や毎年の運営費用は補助が出ますので、運営にお金がそれほどかかるということはありません。これから立ち上げる方も、そのあたりは心配は要りません。

難しかったこととしては、利用者を増やすために新聞折込をしてみたかったのですが、団体の住所が必須と知り断念してしまったことがあります。また、本町田たすけあいは本町田・藤の台地区を対象なのですが、すぐきわの山崎町エリアの人は断腸の思いでお断りしたこともあります。行ってあげたい気持ちは山々ですが、エリアで区切らないと際限がなくなってしまうと考えました。

岩崎さん:
玉ちゃんサービスでは、利用者の登録があったらコーディネーターが一度訪問するようにしています。こだわりとしてその人の一番気にしていることや気に障ってしまうことを確認するようにしているのですが、本当に困っている人から感謝されるときにやっていてよかったと価値を感じます。

メンバーが2~3人集まれば、どんな地域でも小さくスタートできます。家に入るようなことをして何かあったらどうするんだ!という声は必ず出てくると思いますが、そういったことはコーディネーターが間に入るので大丈夫です。経験上、そう思います。

 

■参加者からの質問
Q.玉木さんと岩崎さんにお聞きします。お二人の経験をどのように団体内で引き継いでいますか?

玉木さん:
立ち上げメンバーである三役はしょっちゅう喧嘩しながらやっているので、今年度代表・副代表は交代しましたが、そのときの引き継ぎはスムーズでした。私自身は全国移動サービスネットワークの副理事長といろんなところを回り学んできたこともあるので、そういったことは徐々に引き継がないといけないなと思っています。

新しく入った方にはまず監事をやっていただき、その後三役をやっていただく流れを作るのがいいですね。三役はコーディネーターの役割も担います。最近は月に100件以上依頼があるので、その調整に取り組むことが引き継ぎになると思います。

岩崎さん:
月に1回コーディネーターが集まる会議をやっています。利用者ガイドブックを作りそれを基本に話し合っているので、今はスムーズに話し合いを進めることができています。ただ、今のコーディネーターが年齢を重ね、辞めていっています。私もアドバイザーとして関わっていますが、コーディネーターを育てていくことは課題ではあります。今回、新たに玉ちゃんサービス10周年をきっかけに小冊子を作りました。あらゆる事例やトラブルも含め、活動にブレが出ないようにノウハウをすべて残す形で作りました。もうすぐ完成しますので、ほしい方はお声がけください。

 

■クロージング
みんなの経験共有会では、最後にゲストの方からメッセージを掲げていただき、クロージングとしています。皆さんにとって「生活支援」とは?

玉木さん:無理の無き支援で、「援」から「縁」を生み、支援する側も幸せ!
無理があるボランティアはやめたほうがいいですね。支援する側も幸せがないと続かないので、これを大事にしています。

佐々木さん:生活支援は「用事を手伝うこと」から「孤立を防ぐこと」、「関係」をつくる活動
用事を済ませておしまいということではなく、今度何かあったときに声をかけられる、挨拶ができる関係ができるということが孤立を防ぐということになりますね。

岩崎さん:この街で安心して暮らせる、地域づくりを目指します。
もともと活動はこれをベースにしてやっています。お一人様高齢者は社会問題化しているので、みんなでネットワークを作らないとバックアップできないと思い、この言葉を選びました。

 


過去の開催記事はこちらからご覧ください。

▼7月:みんなの経験共有会vol.25 「地域で<居場所づくり>をやってみた!」
https://machida-support.or.jp/report/performance/_vol25/

<みんなの経験協会|開催レポートバックナンバー>
●2025年度の過去回再開の実施報告は、下記ページからご覧ください。
*記事の最下部に過去回のリンクを掲載しています*
https://machida-support.or.jp/report/performance/report-_vol24/

●2024年度の過去回再開の実施報告は、下記ページからご覧ください。
*記事の最下部に過去回のリンクを掲載しています*
https://machida-support.or.jp/report/salonvol21-2/

●2023年度の過去回再開の実施報告は、下記ページからご覧ください。
*記事の最下部に過去回のリンクを掲載しています*
https://machida-support.or.jp/report/240321/

●2022年度の過去開催回の実施報告は、下記ページからご覧ください。
*記事の最下部に過去回のリンクを掲載しています*
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon03/

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