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実施報告performance

実施報告 2023年06月21日

【実施報告】みんなの経験共有会vol.12~仕事と地域活動のバランスについて考える!

5月24日(水)、みんなの経験共有会vol.12~「仕事と地域活動のバランスについて考える!」をオンラインで開催し、20名の方にご参加いただきました。配信は中町中央町内会館から行いました。


今回は、北村直已さん(町田市立町田第一小学校お父さんネットワーク/会社員)、斉木千夏さん(中学校によりよい給食とどけ隊@町田/会社員)、牛腸哲史さん(小野路竹倶楽部 共同代表/公務員)の3名にお越しいただきました。進行はサポートオフィス橋本空が行いました。

仕事と地域活動のバランスについて考える!ポイントまとめ

1 ゆるく、できる人ができるときに。

2 全力で取り組んでどっちにも生かす

3 周りを巻き込んでみんなで楽しむ。

以下、トークセッションの様子をご紹介します。


<自己紹介>

北村さん:
みなさんこんにちは!ちょっと太った錦織圭です(笑)。仕事は空調メーカーの営業をしています。今年45歳になる町田育ちです。20代で2度転職をしており、今5人家族で、妻と高1、小3、小1の子どもがいて、共働きの家庭です。
地域活動は、<町田一小のお父さんネットワーク>というところで広報担当をしています。お父さんネットワークは2008年にPTAのサークルという形でスタートしました。入学式の撮影サポートや、プログラミング教室などを行っています。一番大きなイベントとして防災宿泊体験「学校に泊まろう」というのもやっています。学校の中だけじゃなくて社協(社会福祉協議会)さんとかJC(青年会議所)さんなど、外とつながってやっていこうというのがコロナ禍を通して加速しています。

斉木さん:
本業は編集者をしています。編集歴は20年で、今は小さい制作会社でヘルスケア系のウェブサイト、実用書などを作っています。
中2と小5の娘がいます。残業が多いので、夫と近くに住んでいる両親に助けてもらいながら子育てをしています。
地域活動は「中学校によりよい給食とどけ隊@町田」で広報担当をしています。メンバーは6人ですが、私と親しいママ友の2人がメインで活動しています。

現在の町田市の中学校給食は選択制で、お弁当形式の給食を事前注文するか、自分で持ってくるという制度になっています。でも、選択制給食は1割程度の中学生にしか利用されていません。私たちは、小学校と同じような給食を全員で食べられるようになってほしいという思いで2018年から活動を始めました。署名活動の参加から始め、市の子育て中の保護者に現状を伝えたり、市議さんにお願いしたりという活動をしてきました。私たちの活動はきっかけにすぎませんが、2021年1月に「全員給食・食缶形式・市所有施設・給食センター方式」で今後取り組むべきとの答申がなされました。今はその完成を楽しみにしています。今は一旦、活動は休止状態です。

牛腸さん:
小野路竹倶楽部の牛腸といいます。町田生まれ、育ちです。ほぼ毎週、週3回くらいは小野路に行っています。市役所職員として働いています。まちづくり、企画政策課、観光を経て今は農業振興課の里山の担当です。休日はフットパスを歩いたり、仲間と竹林整備や竹灯籠を作ったりしています。
仕事では、「新しい里山づくり」をキャッチフレーズに、住んでいる人、来る人どちらにとっても居心地のいい里山を目指す取り組みを行っています。里山地域の一つである小野路は竹林がまとまっていますが、だいたいが放置竹林です。竹林の再生や活用を市の立場で進めています。
行政の立場として「竹を活用していこう」と市民団体に投げかけながら、それに答えているもう一人の自分がいるのが小野路竹倶楽部です。活動では、竹をテーマに楽しみながら活動しているところです。

 

<トークセッション>

Q1.地域活動に取り組もうと思ったきっかけと、その活動にのめり込んだ理由を教えてください。

北村さん:
初めて活動に関わったのは、「学校に泊まろう」という活動に長男が参加したときです。その後の飲み会で他の活動にも誘われて参加したのがきっかけです。
活動を続けたのは、先生が子どもに対して丁寧に接してくれたからです。これだけ先生がやってくれるなら、先生が動きやすいようなことを保護者としてはやりたいなと思ったのがきっかけです。学校でもPTAでもできないことを、お父さんネットワークのいい意味でのユルさの中でやりたいという思いがあります。

斉木さん:
上の子が小学校低学年のときに中学校は、給食があるようでない、みんなお弁当を持ってきていることを聞いて、毎日お弁当作るのは無理とびっくりしたのがスタートです。
最初に署名活動に参加しました。署名集めに巻き込んだ一番仲の良いママ友が「やるなら全力でやろう」と2万以上の署名を集めたのですが、不採択になってしまいました。とにかく続けて何が何でも風向きを変えようと活動するうちにいつの間にかのめり込んでいました。

牛腸さん:
竹倶楽部での活動を始めたきっかけは仕事です。着任した時の課題だった<荒れた山の活用>に可能性を感じて、親しい友達と2人で市民活動を始めました。最初は二人三脚だったけど、活動に参加してくれた人を運営側に巻き込んでいくうちに自分が楽しくなっちゃいました。活動を始めたことでいろんな人と関わりができて、新しい面白いことがなんでもできちゃう感覚があって、ハマっていったのかなと思います。

 

Q2.仕事が地域活動に生きた、または地域活動が仕事に生きたご経験があれば教えてください。

北村さん:
立場によって両方の意見を聞かないといけないなというのは仕事の経験で学びました。地域活動には客観的に立つ人がいないからこそ、いろんな話を客観的に聞く人がいると活動がよく回ると思います。他には、仕事でも地域活動でも話す練習をさせてもらっています。
あとはスベっても負けないメンタルが強くなります(笑)。

斉木さん:
職業柄ウェブサイトの原稿を作る、資料を調査することはもともと得意だったので活動に生かせました。逆に人前に立って話すのが苦手だったのですが、地域活動で人前で話す機会が増えたことでたいした事じゃないなと、緊張はするけど慣れてきました。そのおかげで新しい仕事をもらえたりとつながりました。
もう一つはメンタル面です。どちらかでうまくいってなくても、どちらかでうまくいっていればバランスが取れています。地域活動では幸いにも成功したので、自己効力感が生まれました。

昨年のまちカフェ!は、おうえん隊として取材をさせていただきました。仕事でへこんでいたのですが、いろんな人と話す中でモチベーションが上がり、仕事の意義を見出せました。

牛腸さん:
他の2人と違って土俵が一緒なので、地域活動の成果がそのまま僕の仕事の成果になるんです。地域活動を頑張れば頑張るほど自分の仕事の成果が増える。これは面白い、やるしかないですよね。
市役所の職員はいろんな市民の方や団体の方の意見を聞いて、全体としてまとめていくのが仕事です。市民と行政など双方にメリットがあることは何なのか?を考える癖が昔からありました。竹倶楽部と仕事は一体ですが、瞬時に市としてはこう、竹倶楽部としてはこうと切り替えて考えることができています。そのスピードが磨かれている感じはしています。

 

Q3.ご家族や職場の人に地域活動についてどのくらい伝えていますか?周りの方の反応も合わせて教えてください。

北村さん:
仕事では、腹を括って「地域活動やってます」って言っています。10年前だったら言えなかったと思うのですが、言っちゃった方が自分のためになるなと思って、上司にもはっきり伝えています。職場に伝えたことで「北村はそういうやつだよね」って認識をしてもらいました。
妻からは、ここまでハマるのは意外だと言われています。たまたま子ども絡みのイベントをやることが多いので、自分の子どもを連れて行って面倒を見ながら活動できるのは、夫婦ともにありがたく思っています。

 

斉木さん:
職場には署名集めに手伝ってもらったときに報告しました。子育て中の女性が多いので「そんなことできない、すごいね。」と言われるのですが、地域活動をやってもいいし、活動で変わることもあるんだよと教えるつもりで、事例としてしゃべっているつもりです。
家庭では、夫はほぼ無関心です。ただ、「まちカフェ!」には家族を巻き込んで出展を手伝ってもらっているのですが、文化祭感覚で楽しんでくれているみたいです。子どもには、給食センターの給食を食べたときに、全力で頑張れば報われるということが伝わればいいなと思っています。家族に対して活動について細かく報告をすることはないですが、家事を分担するためにも巻き込む感じで関心を無理やり持ってもらうのは必要かなと思います。

 

牛腸さん:
職場では、だめともすごいねともなく<物好きだよね、ちょっと変わったやつだよね>と見られていると思いますが、気にしていません。
家の方はちゃんと話してないので、特にかみさんがどう思っているかはあえて聞かないようにしています。子育ても終わって、お互いに夫婦の趣味の世界は非介入なので「また今日も仕事ね」という感じです。家にいなさすぎるときは、自由人でいいわねと呆れられています(笑)。

 

Q4.仕事と地域活動に取り組んでいてピンチだったことはありましたか?どのように切り抜けたかエピソードも教えてください。

北村さん:
今日のように地域活動があるときは、午後は仕事を休みにしてなるべくピンチにならないようにしています。お父さんネットワークは地域活動に関しては仕事じゃないんだから失敗してもいいじゃんと緩いんです。だからいい意味でユルく活動できています。

斉木さん:
明確にいつがピンチだったかは思い出せないのですが、大体締め切りが決まっているときはピンチです。それも仕事よりも地域活動の締め切りの方がピンチです。例えば、「まちカフェ!」のためにこれを用意しなきゃいけないとか、オンラインイベントのための資料がまだ作れていないとか。

ママ友も私もどちらかがやれるときにやるスタンスですが、2人とも全力投球しちゃうタイプなんです。できるだけ完成度を高めたい気持ちもあって、仕事とちょっとの家事の時間以外はずーっと地域活動の何かをやっているときもありました。
そうやってどうにか乗り切る中で、家事はわからないですが仕事で支障はきたしていないはずです(笑)。

2人の作業の分担は、データファイルを共有してお互いができるところを穴埋め式に取り組んでいます。悩んでいるところも共有して相談しながら進めているので、締め切り前は常に連絡を取り合っています。

2人でずっと活動していますが、意見の食い違いはあってもお互い折り合いをつけて大喧嘩は全くなく、その時やるべきことに対する優先順位は共通理解を持って活動できています。
活動を通じて絆が深まって、戦友のような感じで今も仲良くしています。

牛腸さん:
ピンチはなかったですね。自分の持っている最大出力が100としたときに、仕事も竹倶楽部の活動も基本的に80%以上は出さないようにしているんです。瞬間的に90とか行くことはあっても、70~80くらいでエンジンを回している感覚ですね。
やりすぎない、余力を残しておくことを意識しているので、仕事でも活動でもピンチを感じることはないです。80を超えそうなときは他のスタッフや職員に仕事を振るようにしています。ズルいですが、竹倶楽部の牛腸さんから市役所の牛腸さんに振ることもあります(笑)。余力を残して、80%で収まるようにコントロールしています。

 

<参加者からの質問>

Q5.地域活動をやり始める前と後で個人的に考えが変化したことはありますか?

斉木さん:
町田市のことをもっと好きになったし、もっと知りたくなりました。それまでは単に住んでいるまちだったのですが、視野が広がって、もっと関わっていきたいと思いました。

北村さん:
斉木さんと一緒ですね。自分が子どもの頃は町田に全然愛着なかったのですが、子どもにとっては町田がふるさとになりますよね。それなら、ふるさといいなと思えることをしたいと思っています。今までは自分の住んでいるところが自分事じゃなかったんだと思います。
お父さんネットワークでは子どもたちの笑顔を増やすことも目的の一つですが、30~50代の地域にいない男の人達に子どもを通して地域に関わってもらうことで、本人にとっても周りにとってもQOLが上がると思っています。

牛腸さん:
町田生まれ育ちということもあって町田のことは人一倍好きですが、市役所に入ってからは仕事のフィールドという感じでした。でも小野路で活動のフィールドができて、町田、特に小野路がより好きになりました。それまでも小野路は仕事で関わったことがありましたが、仕事目線という感じでした。仕事に加えてライフワークとして、プライベートの視点で関わることで、深いところまで好きになりました。

 

Q6.(北村さんへ)PTAで新しいことを始めるときはどの方にどのように伝えましたか?伝え方のコツがあれば聞きたいです。

北村さん:
よく言うのは、3人仲間を集めて副校長先生に相談することですかね。そのときにやりたい思いも大事ですが、自分の思いだけではなくて相手がどうやったら「うん」って言えるか、相手も一緒にやりやすい方法を探ることが必要です。あとは、何回か先生と話して、信頼関係ができるとある程度自由にやらせてもらえるようになります。

 

Q7.地域活動を、達成感を持ちながら長く続けるコツは何でしょうか?

北村さん:
ゆるゆると長く確実なつながりを大事にしています。1、2年活動から離れていても戻ってこれるくらい緩くないと継続できないし、ネットの「いいね!」だけではなく、実際会って一緒に手を動かすことが大切だと思います。
達成感は結果としてくっついてきたかなと思います。飽きっぽいので、次のものへと移ってしまうことが多いので…。

斉木さん:
とにかくトライ&エラーで次の手を考えてモチベーションを保っていました。あとは、どちらかがダメなときはもう一人がモチベーション引き上げることもありました。2人ともダメなときは休んでいました。

牛腸さん:
義務感だと続かないと思うので、ゆるーく無理をしない範囲でできる人ができることをやるのが基本だと思っています。竹倶楽部では代表もあえて作っていなくて、5人で共同代表をしています。達成感については、参加者の方が非常に楽しそうに作業しているとか、良い感想をもらえるとうれしいです。竹林の整備はやればやるだけきれいになるのでとても楽しいです。自分自身も関わった人も楽しくなきゃいけないと思っています。

北村さん:
自分が関わることで他の人が化学変化するのが一番面白いのかなと思っています。どうやったらみんなが楽しくなるかを考えながら、他の人同士をくっつけたり巻き込んだりしています。

牛腸さん:
自分自身が楽しいと思うことを同じ感覚の人と一緒に作業するようにしています。ゴールを達成感ができる状態に設定したり、準備の過程も楽しめる要素をなるべく入れたりしています。

 

Q8.(斉木さんへ)PTAの皆さんも巻き込んでいますか?

斉木さん:
巻き込んでいないですね。1回子供会役員をしていたときに役員仲間に話をしたことはありました。今の状況やどうなったらいいか意見を聞いたり、「まちカフェ!」のオンラインイベントに来てもらったりはしていました。


<クロージング>
みんなの経験共有会では、最後にゲストの方からメッセージを掲げていただき、クロージングとしています。今回の一言は、「仕事と地域活動のバランスとは?」です。


登壇者の皆さん。左から、お父さんネットワークの北村さん、中学校によりよい給食とどけ隊@町田の斉木さん、小野路竹倶楽部の牛腸さん。

牛腸さん:一体
あえて書くとしたら「一体」。一体なので、究極的にバランスが取れているということです。

斉木さん:両方全力でやって循環を作る
バランスを取ろうとしないで、両方全力でやって「うまい好循環を作ること」です。

北村さん:ゆるゆる
結果「ゆるゆる」やっているから長続きするし、いい塩梅でどちらもできているのかなと思います。


次回みんなの経験共有会は7月3日、「ボランティアやってみた・受け入れてみた!」をテーマに開催します。

詳細・お申込みについては下記よりご覧ください。
https://machida-support.or.jp/event/salon202306/

2022年度の過去開催回の実施報告は、下記ページからご覧ください。
*記事の最下部に過去回のリンクを掲載しています*
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon03/

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