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実施報告performance

実施報告 2022年10月31日

【実施報告】みんなの経験共有会vol.6~マルシェやってみた! 「マルシェ開催の経験共有会」を開催しました

10月25日(火)、TENT成瀬にて、みんなの経験共有会vol.6~マルシェやってみた! 「マルシェ開催の経験共有会」を開催し、11名の方にご参加いただきました。

今回はマルシェ開催の経験を、まちだ里のマルシェ主宰の増田久美子さん、こだちの家マルシェ主宰の磐梨裕子さん、社会福祉法人ウィズ町田 赤い屋根の升本広和さんにお話いただきました。進行はサポートオフィス杉山久美子が務めました。

▲TENT成瀬のおしゃれな会場をお借りし、温かい雰囲気でスタート。写真手前のお花は参加者からゲストへのプレゼントでした。

ゲストの方からはマルシェ開催のコツはもちろん、お客さんや出店者とつながったエピソードや広報・集客のお話など、地域活動にもかかわる話題が多く挙がりました。

「マルシェやってみた!」でのポイントまとめ

1.お客さん・出店者同士のつながりができていくのが大きなやりがいになる
2.広報・告知はいろんな方法で運営者・出店者のみんなで取り組むのがポイント
3.自分たちも楽しむのが続けるコツ


以下、トークセッションをレポートします。


<自己紹介>

升本さん:
社会福祉法人ウィズ町田 赤い屋根の升本と申します。障害のある方の就労支援をしている者です。赤い屋根は豆腐屋です。利用者さんは47人で、製造、販売・宅配、下請けの3つの班があります。私は販売・宅配班を担当しています。

ウエルシア薬局町田本町田店が地域の活動団体に対し、店舗のスペースの一部を地域貢献として貸し出してくださっていて、そこで「まちだハッピーマルシェ」を月に1回開催しています。お惣菜、手作り小物、野菜などを販売する社会福祉法人やNPO法人が参加しています。店舗は時間によってお客さんが少なくなる時間帯があるのですが、南京玉すだれや合唱などのサークルの方にお越しいただき、出店団体自体がワクワク楽しめる企画もやっています。うちのメンバーさん(利用者さん)もいつも楽しんでいます。今日はマルシェに関わらせていただいて得た気づきや学びを共有して、皆さんと一緒に深めさせていただければと思っております。

磐梨さん:
玉川学園5丁目で毎月第3日曜日9:30~12:30、「こだちの家マルシェ」を開催しています。2021年の4月にスタートして、来月で20回目を迎えます。夫婦でリフォーム工房 ベネ・ヴィベレを運営しているのですが、その自宅兼事務所の前でやっています。「こだちの家」という名前は、けやきの木に囲まれている場所であることから名付けました。

Facebookグループでは、こだちの家マルシェのコミュニティを作っています。お客さんが「こんなものを買いました」「今日の戦利品はこちらです」等投稿してくださっていて、地域の皆さんに可愛がっていただけるマルシェに育っているのかなと思っています。

増田さん:
もともと農産物を取り扱う通販の会社をやっていて、全国の農家さんとつながりお客さんに農産物を届ける仕事をしていました。農業の大変さ・面白さを知るうちに農業を応援したいという気持ちが強くなりました。私自身は町田に住んで30年、ふと自分の足元を見ると町田にも農家さんがたくさんいることに気づきました。

小野路の農家であるあした農場の方と知り合い、「農村伝道神学校の校長先生がグラウンドを貸してくれるそうだから、マルシェをやろうと話しているんだけど、一緒にやらない?」というお誘いがあり、「まちだ里のマルシェ」を手伝い始めたのが5年前です。初回がとてもいいイベントになったので5月と11月、半年に1回開催しようということになりました。いつの間にか私が主催者という形にはなりました。出店者と一緒に作り上げる形で運営しています。続けているうちに里のマルシェは、農業・環境・食・地元を大切にしようという方針に決まりました。出店者は、町田市内か相模原市などの近隣地域の方に限っています。

本日の会場でもあるTENT成瀬には、私はスタッフとして現在勤務をしておりますが、その業務の中で「ツナガルナルセ」というマルシェを毎月第1土曜に開催しています。TENT成瀬前にあるサンカク広場は普段人通りが少ないのですが、やってみようということで15個のテントを並べて始めました。夏にビアガーデンも実施したらすごく人が来てくれました。

<トークセッション>

Q1.マルシェを開催してよかったこと・やってみて気づいたことを教えてください。

升本さん:
よかったなと思うのは、やっぱり人と人との対話、リアルなコミュニケーションができるということです。「まちだハッピーマルシェ」ではNPO法人たがやすという団体が野菜を販売しています。隣で出店していたときに「野菜を仕入れさせていただけませんか?」と緊張しながら聞いたところ、「いいですよ」とすごく優しい声で言っていただき安心したことを覚えています。その後もとんとん拍子で話が進み、「収穫体験もやりませんか?」という話も出てきました。収穫して販売するという一連のお仕事を事業所として作ることができ、とてもありがたいなと思っています。マルシェを通して共通の目標でやっている者同士、質の高いコミュニケーションができるという発見になりました。

事業に「野菜を取り入れよう!」と思ったのは直感です。事業所のお客様にお豆腐だけを毎週買ってもらうのは修行みたいなものになってしまうんです(笑)。ファンとして事業所を支えてくださっているお客さんにとっても季節の野菜など、購入する商品のバリエーションがあると嬉しいかなと思い、お声がけしました。

磐梨さん:
玉川学園は坂が多い地域で、会場に来るまでもハードな道のりなのですが、毎月のように来てくださる方とお話できるのがすごく嬉しいです。あとは来てくれた方同士がお友達になることも喜びの1つ。お客さん同士が楽しくお話されているのを見るとすごく嬉しい気分になります。後からお客さんがFacebookグループで買ったものを紹介したり、次のマルシェに商品を身に着けて来てくださったりするところを見るとすごく幸せな気持ちになります。

増田さん:
お客さんが会場に来た時に「わ~!」という表情をして、お買い物をして荷物いっぱいで帰ってくださる姿を見ることができるとすごく嬉しいです。あとは出店者同士が仲良くなったりコラボしたりと、つながりができることが本当に嬉しい。普段は農家の人と直接話す機会がないお客さんたちも、「畑に行ってもいいですか?」「定期的に野菜を買うことはできますか?」などという会話が生まれるのも嬉しいことの1つですね。

 

Q2.マルシェを開催していて難しいな、これからの課題だなと思うことを教えてください。

升本さん:
「まちだハッピーマルシェ」は客足数の壁にぶちあたってるなと今は感じています。今日もゲストお二人の話からいろいろ学んでいるので、はやく出店団体同士で作戦会議したいです。

磐梨さん:
同じメンバーで出店を続けているので、マンネリ化しないよう毎月楽しんでいただくための工夫が必要だなと思っています。

増田さん:
出店者(運営)側のコミュニケーションですね。メンバーの熱量や想いもさまざまで、大好きだから積極的に関わりたいという方から当日来て売りたいなという方までいらっしゃいます。メンバーは町田市内にいるとはいえ、時間を合わせて会うというのはなかなか難しいです。私「Facebookやってないの~」という方も入ってくるとさらに難しい!(笑)それぞれに別の方法で連絡するので、時間も取られてしまいます。

ただ最近は、みんなの熱量を統一する必要はないんだなと思っています。「やるよ~」と言ったら話に乗ってくれるくらいの関係性も良いなと割り切っています。立ち上げ当初の勢いはなく寂しい気持ちはありますが、これで喧嘩したくはないですもんね。そのくらいのスタンスじゃないと続かないな、という実感があります。自分たち自身も楽しめるくらいがちょうどいいですね。

 

Q3.出店者の募集の仕方や、新しく出店する方へマルシェのことをお伝えするときのポイントがあれば教えてください。

増田さん:
出店者は一本釣りをメインで行っています。誰でもいいとは思ってはいません。この人とは一緒にできないなと思ったらお断りするようにしています。あとは紹介などでしょうか。

私は自分自身がマルシェに出店していたことがあり、東京には出回らなかったり試験的に作ったりしている品種の果物をジャムに加工してもらい、都内に売りに行っていました。その時に気が付いたことを元に今は運営をしています。出店のお誘いをする時は、「私、あなたの商品が好きなんです」というお声がけが一番効きますよ。

磐梨さん:
出店料が売り上げの何%です、ということは事前にお伝えするようにしています。マルシェに来たことがある等、雰囲気を知っている方にお声がけするので一から説明することはあまりありません。

升本さん:
まちだハッピーマルシェは、福祉団体の横のつながりでお声がけすることが多いです。「営利目的ではなく交流を大切にしていきましょう」というのがキーワードとしてあるので、そのことを最初に伝えるようにしています。

 

Q4.続けていくコツは何かありますか?

増田さん:
まちだ里のマルシェは新型コロナウイルスによって2回お休みしました。緊急事態宣言中でしたし、学校の敷地内で開催しているので学校に迷惑をかけるわけにはいかなかったので。その後実施したときには、来場者に連絡先を記入してもらったり、アルコールを準備したりと気を使いました。

ツナガルナルセは、真夏に開催するとスタッフが倒れるから夜にやろうと決め、ビアガーデンを開催しました。そのくらいの柔軟性は必要ですね。

磐梨さん:
コツは自分たちが楽しむことだと思います。台風のときに開催したこともありますが、それも根性でやろうということではなく、メンバー間でやりとりをして「工夫してやってみよう!」という結論になったからです。コロナ禍でも実施していたのは、もともとこのマルシェがコロナでなかなか遊びに行けない方が多い中、おうち時間を楽しんでもらいたいという気持ちではじめたマルシェだったというのが大きいです。

升本さん:
月に1回、細々とでも続けることが大切かなと思っています。寒い時はウエルシア薬局の店舗内にある地域開放スペース「ウエルカフェ」を使って小さくやろうね、と決めて実施しました。小さくでも継続して開催していると、金曜日にやっているのね、とお客さんに覚えてもらえますよね。

 

Q5.皆さんマルシェの開催は本業ではないと思いますが、本業にとってもいい影響があれば教えてください。

升本さん:
先ほどもお話しましたが、NPO法人たがやすさんとのコラボレーションが実現したことですね。今後もマルシェを通して色んな団体とお話をすることで、さまざまなことが生まれる予感がしています。

磐梨さん:
「ベネ・ヴィベレ」という工房の名前は、「よりよく生きる」というラテン語なんです。そういう観点では、リフォームもマルシェも連動していると思っています。マルシェのときにはお客さんから「こういう暮らしがしたい」という話も出てきたりします。小さい会社なのでまずは皆さんに知っていただけるだけでも嬉しいです。

増田さん:
私は本業からマルシェに乗り換えたタイプです。本業は現在お休みしていて、TENT成瀬でスタッフとして働くようになりました。まちだ里のマルシェはボランティア・趣味でしかないのですが、いろいろなものを得ているので、楽しみで続けています。

 

Q6.(事前に参加者からいただいていた質問)仕入れ先とはどのようにつながりましたか?また、マルシェ開催にあたり、商品の量はどのように決めているのでしょうか?

升本さん:
利用者のお1人が、10年以上の販売データを頭の中で収集してくれています。この販売先の場合はこのくらいだよね、という経験に基づいた感覚を利用者さんと相談したりします。その上で職員のほうで最終的に商品数を決めています。

磐梨さん:
仕入れ先は、すべてが主人が知っている全国のお友達関係です。顔が見える・知っている方から仕入れるようにしています。このくらい売れたよという話をして、その都度調整していただいています。

増田さん:
私はマルシェの取りまとめだけをしているので、出店者には今までの来場者数の実績はお伝えした上で、仕入れや販売量などは皆さんにお任せしています。終了後は大体の売り上げ報告だけ受けるようにしています。まちだ里のマルシェでは、出店者のみなさんは本業として売りに来ているので、全体でこのくらい売れると、出店者側も笑顔で帰れるな、という金額を意識して集客をしています。

Q7.(事前に参加者からいただいていた質問)告知・集客はどのようにしていますか?

増田さん:
無料で手軽なSNS(Facebook、Instagram、Twitter、ブログ)は全部やっています。FacebookとInstagram、Twitterとブログは連携させることができるので、なるべく楽にできるように投稿をしています。出店者を紹介するときには、どこが好きかということを自分の言葉で書くように意識しています。チラシは毎回1200部くらい印刷していて、自分でポスティングもしています。

出店者にはチラシ画像を送って、SNS等で告知していただけるよう呼びかけています。「自分たちでも集客してくださいね」というのは何度も言っています。各出店者が20人連れてきたらそれが隣のお店のお客さんになるからです。

磐梨さん:
自分のSNSでも投稿しますが限界があるので、玉川学園なんでも探偵団というFacebookグループでも告知しています。こだちの家マルシェのFacebookグループでは、細かい出店内容を各店舗に投稿していただいています。

升本さん:
事業所では広報誌を発行しているので、そこで「まちだハッピーマルシェ」のことを掲載しています。また、利用者さんのご家族にはチラシを渡して「お願いします!」と声かけしています。ご覧になった利用者さんのご家族が買いに来てくれます。


<クロージング「あなたにとってマルシェとは?」>
経験共有会では、最後にゲストの方からメッセージを掲げていただき、クロージングとしています。今回の一言は、「あなたにとってマルシェとは?」です。

 

▲左からこだちの家マルシェの磐梨さん、まちだの里マルシェ増田さん、赤い屋根の升本さん。


増田さん:「ツナガリへの入口」

私自身もマルシェをきっかけに町田に根付いたなと思っているのでこの言葉にしました。

磐梨さん:「縁」
一緒にマルシェを開催している仲間ともお客さまとも仕入れ先の皆さんともすべてご縁で繋がっています。
これからもこのご縁を大切にしていきたいです。

升本さん:「マルシェ=∞(無限)」
マルシェは本当に無限の可能性があるものだと思います!これからもマルシェでいろいろなことが起きるのが楽しみです。

 


次回は12月中旬頃の開催を予定しています。テーマが決まり次第、ホームページで情報公開しますので、楽しみにお待ちください。

過去開催回の実施報告は、下記ページからご覧ください。

▼みんなの経験共有会vol.1~法人を設立してみた「NPO法人・一般社団法人設立経験共有会」
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon04/

▼みんなの経験共有会vol.2 ~協働事業やってみた!「協働事業に取り組んだ経験共有会」
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon05/

▼みんなの経験共有会vol.3~学生と一緒に活動してみた! 「学生との協働事業に取り組んだ経験共有会」
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon06/

▼みんなの経験共有会vol.4~オンラインイベントやってみた! 「オンラインイベントのコツ経験共有会」
https://machida-support.or.jp/report/salon07/

▼みんなの経験共有会vol.5~助成金にチャレンジしてみた!「助成金の活用経験共有会」
https://machida-support.or.jp/report/performance/salon10/

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