【実施報告】インクルーシブ研究会vol9「町田市ひきこもる若者の居場所づくり調査」報告会を実施しました
2026年7月2日(木)町田市庁舎2階市民協働おうえんルームにて、オープンデー特別企画としてインクルーシブ研究会vol9「『町田市ひきこもる若者の居場所づくり調査』報告会」を実施しました。29名の方の参加がありました。お話しいただいたのは、「ひきこもる若者の居場所を考える会」代表の辻岡秀夫氏(特定非営利活動法人ゆどうふ)と矢盛氏です。
「ひきこもる若者の居場所を考える会」は、支援機関等が集まり2024年9月に発足しました。町田市内に常設型の居場所の設置をすることを想定して、ひきこもり当事者の方へインタビューやアンケートを進めてきました。
以下で報告会の内容を抜粋してご紹介します。
*「町田市ひきこもる若者の居場所づくり調査」報告書全文は以下よりダウンロードできます。
▶https://yudofu.or.jp/2026/07/07/3187/

▲報告会当日の様子

【ひきこもりの現状と課題】
・全国で147万人(令和4年度内閣府調査)
・不登校児童、8050世帯の増加
・町田市内は引きこもり状態の方がおよそ5,500名いることが推測されている
・社会の中に居場所がないという声がある。
・支援現場の現状としては町田市保健所の支援事業、地域若者サポートステーション等があるが支援が不足している。
【調査目的と実施内容】
・常設型の居場所を町田市に開設することを想定として実施。
・アンケートは、ひきこもり経験がある方(年齢は問わず)58名の方にアンケート用紙やオンラインで実施。
・インタビュー調査は8名に実施。
【アンケート全体の印象】
・居場所に「他者との交流」と「1人で過ごせること」という、対照的な2つの要素を同時に求める回答が多く見られました。
・不安は「具体的な内容」「漠然とした内容」の2つが見られた。
・理想的な居場所の条件として「参加無料」「相談スタッフの常駐」「アクセスの良さ」がある。
・「居場所以外の社会資源」としては、「進学」「就労」など具体的なサポートを望む声が多い。
【常設型居場所に必要な要素】
①公設民営型
②地域ごとの設置(アクセシビリティ)
③機能の多様化(個々人に合うプログラムや目的が用意されている)
④人材の確保(専門職、ピアサポーター、地域住民との関わり)
報告会の後は、参加者からの質問や感想共有の時間を設けました。
一部を紹介いたします。
<参加者からの質問・感想>
Q ゆどうふの活動を以前知っていて数年ぶりに居場所に参加した。このように再会が嬉しい場合もハードルになる場合もある。「二度目ましての方が苦手だな。」という人もいる。その点についてどのように考えているか教えてほしい。
A 久しぶりの参加は嬉しいが、本人にとっては緊張する場面でもあるかもしれない。「今何しているの」「何していたの」と言われるのが怖いという声もある。「居場所で一緒にいる」ということを大事するという姿勢を意識している。お茶でも飲んで話をしようか、と自然体でいるようにしたい。
Q せりがや冒険遊び場の焼き芋の会にゆどうふを利用している若者たちに参加していただいたことがある。若者たちはせりがや冒険遊び場での活動をどのように感じられていたか。
A 「リアルでした。」という感想が印象的だった。五感をつかう機会の貧困化という中で貴重な体験だと思う。
Q 「居場所」の以外の地域の場所がどうあってほしいか?
A ハレとケという言葉があるが、居場所が「日常」だとするならば、日常にはない体験ができて楽しさを感じて、その先に、そこが日常になってもいいと思える場所として存在していると嬉しい。
Q 不登校、不登園の子ども、お母さんに対して
A 町田市では「まちだ 多様な学び場居場所マップ 」で情報を紹介している。学校へ行かないということも一つの選択肢だと思っている。その人や家族の考えが尊重できる選択肢が多くあると良い。
Q 常設型居場所について、当事者やピアサポーターが前面に出ている居場所という方法もあるがどうか?
A 当事者が運営をしている居場所もたくさんあり、良さもある。共通する課題は、資金などの継続して運営すること。そこを乗り越えるためにも当事者以外の支援者が関わることも大切と考えている。当事者が運営する居場所に一人のボランティアとして参加し、会場の予約などを担うなどの関わり方もあると良いと思っている。
<情報提供>
まちだ福祉〇ごとサポートセンター南
元ひきこもり経験者によるピアサポーター相談を試験的にはじめている。体験談などもお話しいただくことで、相談しやすいきっかけづくりをしていきたい。
<インタビューに協力した方からのコメント>
・人それぞれに悩みがあって多種多様だが、誰かに話すことが最初の一歩だと今日話を聞いて感じた。
・居場所に参加するまでの接点づくりが課題。
・自分から通う場所(所属)ができて、ボランティア活動などもすることで「自分を覚えてもらえている」ということが嬉しかった。自分が透明人間じゃないなと思える。失敗をしても、別のところでやり直せる、新しい場所で新たな関りが出来ると嬉しい。
<辻岡氏より>
「人に話してみる」という第一歩が「ここでダメでも他の居場所がある」と本心でいえる状況を作ることが大事だと思う。子どものころは夢を抱くが、その後、大人になるにつれて自分個人の体験を通して、自分はこんな人間なんだと「自己受容」していく。自分に対して確信やある種のあきらめを持つ。しかし、ひきこもりの方は、人と関わる機会が少ないことで、自分はこんな人間だと自己受容するチャンスが少ない。その機会を持つことができるのが「居場所」だと思っている。
NPO法人ゆどうふでは、2026年4月に八王子の駅前に市営の常設の居場所「ことこ」の運営に参加している。特徴は運営に地元企業が携わっているところ。市民であることを問わず、ひきこもりであることも問わず利用できる場所。見学も可能です。
参加者は終始熱心に話を聞いていました。
【参考】
・町田市ひきこもる若者の居場所づくり調査報告書
https://yudofu.or.jp/2026/07/07/3187/
・特定非営利活動法人ゆどうふ
https://yudofu.or.jp/
・さがみはら若者サポートステーション
https://parasute.jp/
・〇ごとサポートセンター(社会福祉協議会)
https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/sodan/tiikifukushico.html
・常設ことこ(八王子市営居場所)
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/welfare/ab005/ac769652/jyuusou/p036051.html
・KHJ町田ひきこもり会
http://www.khj-machida.org/
・まちだ多様な居場所学び場マップ
https://www.machida-freeschool.com/
