ページトップ

コラムcolumn

コラム 2020年05月12日

【コラム】元行政マン、現役NPO代表&中間支援組織スタッフの小話 vol.3 融資~地域文化の生き残りをかけて~

今回は、私が代表を務める「NPO法人町田演劇鑑賞会」の新型コロナウイルス禍における資金融資について、具体的にお話をしたいと思います。皆さんの活動の一助になれますと幸いです。

「NPO法人町田演劇鑑賞会」は、会員制で町田市民ホールにお芝居を呼んで観る会です。活動資金は現在760人の会員が持ち寄る会費だけです。創立以来35年にわたり、さまざまなジャンルのお芝居を年6本ずつ観続けてきました。

今年の2月のお芝居「黄昏」(高橋恵子他・シーエーティープロデュース)が189作目でした。会員の増減や役員の交代など紆余曲折の歴史を刻みながらも何とか続けてきています。

 

そうした中で、今回の“新型コロナウイルス禍”のような大規模に社会全体の営みを止めてしまう事態は想定外でした。「非常事態宣言」の発令により5月に予定していた「罠」(石母田史郎他(俳優座劇場プロデュース)は中止となり、会員が会員を生み出す仕組みで出来上がっている演劇鑑賞会としては、人と人との接触をできる限り避ける“ステイホーム”により、まさに命綱を絶たれたも同然の状態に陥っています。

その上、この2月より会員数の伸びを期待しての昼夜2回公演を始めた矢先なので、係る運営経費に対する収入が追いつかず、“コロナ禍”が終わりの見えない社会現象となっていることも勘案して、金融機関からの資金融資を受け、この波を乗り切ることとしました。

 

NPO法人などへの融資をしてくれるのは、いわゆるメガバンクではなく、「信用金庫」などの中小金融機関が中心となります。これまで会の運営資金の預け先は、近くにある、あちこちにある、などの理由からメガバンクが中心でした。今回、こうした事態となり、資金融資が得られるのはいつものメガバンクではなく、どこにあるかも知らず、入ったこともなかった中小金融機関だったのです。

35年の団体運営を通して、社会全般との関わりについてはある程度学んできたつもりでいましたが、ここに至りあらためて社会との関わりへの見識の浅さを思い知らされました。“いざとなった時に力になってくれるのは誰か”、まさに目から鱗が落ちたように思えました。

市内にある信用金庫の窓口に行ってみたところ、中小企業事業者が大半でNPO法人への融資というのは、数年に一度くらいのものだったとのこと。現在、中小事業者からの融資の申請が山のように押し寄せ、加えて“新型コロナ対策上”の交代制勤務を実施していることから、“かなりしんどい”状況が続いているそうです。

 

NPO法人の持つ組織的な特性や町田演劇鑑賞会の成り立ち、これまでの経過、現状の課題、今後の展望などを伝え、金融機関側も真摯にそれらを受け止め、申請手続きを進めてくれています。また、町田市の中小企業融資制度と併用すると、融資期間5年、融資限度額500万円、貸付利率1.95%のうち1.5%の利子補助を受けられること、それとは別に経済産業省からの無利子無担保の貸付開始も視野に入れています。

 

今後は東京都信用保証協会の審査を受けるのですが、ここがまた立て混んでいるとのことです。最終的な融資額などは、<あくまでもなるべく短期間で返済可能な、身の丈にあった額とする>という原則で臨んでいます。大きな社会現象への対応となりますので、事態の変化に応じて出される国の方針や東京都の方針などを見据えて、適切、的確に対応していくつもりです。1日も早く社会生活がもとのように戻ることを切に願いつつ、共に頑張りましょう‼

資金融資の経過については、引き続きコラムにてご報告していきます。

 


著者/大谷 光雄

町田生まれ町田育ち町田市在住。1977年町田市役所に入職、最後の10年を新たな地域社会づくりの核としての地区協議会の設立に従事。その傍らで会員制のNPO法人町田演劇鑑賞会を設立、会長として35年目を迎える。平成18年より地元町内会副会長を歴任。

お問い合わせ

CONTACT

ご質問やご相談を承ります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

メールマガジン登録

MAIL MAGAZINE

町田市の最新情報・イベント情報をお届けします。

    「まちだ」づくり応援基金

    DONATION

    「まちだ」づくり応援基金では
    ご支援をお願いしています