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コラムcolumn

コラム 2021年09月08日

【コラム】新米事務局長のつぶやきvol6「法人格何を選ぶ? NPO法人、一般社団法人と新たな労働者協同組合を比べて」

サポートオフィスでは、団体を法人化したいのだけどどの法人格が良いでしょうか?というご相談をいただくことがあります。

公益的な活動(地域や社会を良くしようとする活動)をする際の法人格の選択は、株式会社、一般社団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)など複数あります。また、2021年12月4日に成立し、2022年10月に施行される労働者協同組合法という新たな法律もあります。本ページ下段の表にはその中でもよく選択肢としてあがるNPO法人、一般社団法人とさらに法律が成立し注目が集まっている労働者協同組合法という3つの法人格について比較したものとなります。

それぞれの法人格には、特徴があります。例えば市民活動のための法人格として誕生した特定非営利活動法人(NPO法人)は、市民に開かれた活動をし、様々な人に参加してもらうことで目的を実現するという価値が根底にあります。設立時に10人の会員を集めないといけない、情報公開が法律で義務付けられている、などもそのためといえるでしょう。設立の際も申請後に「縦覧期間」という市民に自由に見てもらう期間が設定されており、申請から認証まで3~4ヶ月かかります。

一方で一般社団法人、労働者協同組合は、設立については、準則主義(法律の要件を満たしていれば法人格が付与される)ので、設立にかかる期間は短期間です。設立期間が短期間であることや少人数で設立できることから一般社団法人を選択する団体も増えています。情報公開の義務などがなく簡便な法人格という印象がありますが、法律自体は、かなり詳細にわたっており、実際の運営となると意外と大変なことも。また、東京都の場合は、収益事業をしていなくても法人税均等割の免除はないのもNPOとの違いです。

また、NPO法人と一般社団法人は、それぞれに認定NPO法人、公益法人とさらに税制優遇のある法人格を目指すことが可能ですが、こちらになるとかなり制度の違いが出てきます。

新しくできた労働者協同組合は、その名が表す通り働く人たちが出資、経営、労働をともに担う協働労働のための制度です。出資が認められているところは特徴の一つです。基本的には、共に「働く場」「仕事」をつくっていくことを目的としているので、寄付や会費、ボランティアでの参加という多様な参加方法が想定される活動には向かないかもしれません。この法律は、今後税制などが決まります。これまで協働労働のための法人格がなかったので、NPO法人として運営してきた団体の移行などもでてくることが予想されています。

どんな法人格が良くて、どの法人格が悪いというものではありません。いずれにしろ、どんな活動をしたいのか、運営で何を重視するのかを考えたうえで、自分たちにあった適切な法人格を選ぶことが必要です。

体に合った洋服を着ると心地よく快適に動けるのと同様に、自組織の体制や叶えたいビジョンに合った選択をすることで、より快適な活動につながるのではないでしょうか。

 

  特定非営利活動法人(NPO法人) 一般社団法人 労働者協働組合
法律 特定非営利活動促進法 一般社団法人および一般財団法人に関する法律 労働者協同組合法
概要 市民参加を重視した法人 公益法人制度改革に伴い誕生した法人格。 組合員が出資し、経営、労働に従事する。
出資 × ×
事業内容 特定非営利事業20分野 指定なし 労働者派遣事業を除くあらゆる事業
設立時構成員 会員10人以上
理事3名以上
監事1名以上
2人以上
理事1名でも可
組合員3人以上
(組合員の中から理事3人以上選出)
労働者 法人代表者に雇用される従業員 法人代表者に雇用される従業員 組合員
構成員 会員 社員 組合員
議決権 一会員一議決権 原則として一会員一議決権 一組合員一議決権
情報公開義務 あり なし なし
設立手続き 認証主義(所轄庁の認証) 準則主義 準則主義(登記のみ)
税制 収益事業のみ課税。法人税均等割り免除申請をすれば免除 非営利型はNPO法人と同様。ただし法人税均等割りの免除は自治体によって違う(東京都は免除はなし)。 検討中

 

 


著者/喜田亮子(町田市地域活動サポートオフィス 事務局長)

大和市在住。桜美林高校、桜美林大学出身。20年間民間企業の助成財団で全国の地域活動への助成等を担当。中学2年の娘、小学校5年生の息子の母です。

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