<まちだづくり応援基金インタビュー>スヌーズレンブラックライトルームを普及する会
昨年度よりスタートした「まちだづくり応援基金」による助成事業の助成対象が8月に決定しました。サポートオフィスでは採択された9団体/個人に、活動への想いや今後の意気込みを語っていただくインタビューを実施しました。インタビュアーは、今夏さがまちインターンシップ(運営:さがまちコンソーシアム)のプログラムで、8日間サポートオフィスでインターンシップを行った大学生の皆さんです。
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スヌーズレンブラックライトルームを普及する会
*本記事はインターンシップに参加した山中一輝さん(和光大学2年生)が作成しました*
8月22日に、「スヌーズレンブラックライトルームを普及する会」の代表 長谷川正貴氏にインタビューを行わせていただきました。初めての経験で至らなかった点も多々あったと思いますが、貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございます。インタビュー内容を下記にまとめましたのでご覧ください。
1970年代にオランダで生まれた「スヌーズレン」。オランダ語の「鼻でくんくん臭いをかぐ」という意味の『snuffelen』と、「うとうと居眠りをする」と言う意味の『doezelen』を掛け合わせた言葉で、暗い部屋で蛍光発光するアートやグッズを用い、五感で周囲の様子を感じ取る要素と、リラックスをする目的がある。写真は昨年度のまちカフェ!の様子。
Q1.この活動を始めたきっかけとやりがいを教えてください。
A1.7年ほど前に、スヌーズレンの活動をしているNPO団体の理事⻑に教えてもらい、スヌーズレンに関して様々なお話を聞いたことがきっかけです。そして、発達障がい‧学習障がい‧⾃閉症スペクトラム等の⼦どもたちの療育になることやリラックス効果があることなどを知ることができました。お話を聞いた際に、スヌーズレンの普及に携わることが「今まで⾃分が35年以上にわたりブラックライトの仕事をやってきた使命なのかも知れない」と感じてスヌーズレンの普及活動を⾏っていこうと考えました。具体的な活動を開始して三年目になりますが昨年の町⽥市市⺠協働フェスティバルまちカフェ!に出展した際、あるご家族に「障がいがある⼦どもを外のイベントに連れて⾏けるか不安だった」と⾔われました。しかし、イベントに参加してとても楽しんでくれたようで、「こうした場所が常設でどこかで体験できるといいですね」と⾔われました。その⾔葉を受け、将来的には常設で体験できるような場所も作れたらと考えています。現在はその⼀環として訪問型の「おうちスヌーズレン」を考えています。このように、参加者の意⾒を聞いて次の展開を考えることも私のやりがいです。
Q2.この活動を⾏うにあたって、苦労した点は何でしょうか。
A2.やはり認知度でしょうか。スヌーズレンに関して活動をスタートした当時はエビデンスもなく認知度が低かったです。ただ、ブラックライトに関しては知識を持っていたので、多くの団体の⽅々に協⼒を要請しました。そして最初は、「スヌーズレンブラックライトルーム」という⾔葉を知ってもらうことから始めました。ただ、まだまだ周知の必要があるため、まちカフェのように多くの方が来場するイベントでの告知や普及に向けての情報発信していくことが重要です。
Q3.事前に拝⾒した資料の中にスヌーズレンが「障がい児や認知症に効果がある」と書かれていましたが、その効果とは具体的にどういったものなのでしょうか。
A3.数年前からいろいろな研究機関や大学からスヌーズレンの効果に対するエビデンスも発表されています。私はこれまで障がいを持っているお子さん向けにスヌーズレン活動を⾏ってきましたが、⾼齢者の⽅々に向けては⾏ってきませんでした。そこで6ヶ⽉間、グループホームで週に2回、⾷事やトイレなどの介助の仕事を体験しました。初めの頃は⼤変なこともありましたが、何度か接しているうちに⼈間関係ができていき、そこに楽しみを⾒出すことができました。そうした認知症や障がい等の特性を持つ⽅々が「スヌーズレンブラックライトルーム」に⼊ると、興奮状態が抑制され怒りの感情も鎮まったというデータもあります。またある支援学校では授業の一環としてスヌーズレンルームを活用することで暗い空間の中で集中力が高まり気持ちも落ち着いて次の時間の授業がスムーズに進められたという話も聞きました。
Q4.⽇本以外の国では、スヌーズレンの普及はどうなっているのでしょうか。
A4.海外の例ですとヨーロッパ諸国は普及率が⾼いです。北欧のスウェーデンでは、学校内に「スヌーズレンルーム」を設置することが義務付けられている地域もあるそうです。
スヌーズレンには「ブラックライトルーム」と「ホワイトルーム」の2つの種類があります。私は「ブラックライトルーム」をもっと多くの方に知っていただきたいし活用していただくためにも「楽しい体験型イベント」の要素を盛り込んで今後も普及活動に取り組んでいきたいと考えています。

取材の様子。⻑⾕川さんの事務所を置いているCOMMUNE BASE マチノワでインタビューさせていただきました。
スヌーズレンブラックライトルームを普及する会では、まちだづくり応援基金の助成金を活用し、下記のイベントが開催されます。最新情報については団体のホームページをご覧ください。
ブラックライトアート空間を体験!
日時:11月29日(土)10:00~16:00
場所:町田市役所(町田市市民協働フェスティバルまちカフェ!内)
