<アンケート結果&座談会全公開>サポートオフィス通信32号「学生に聞いてみた!若い世代×地域活動の本音とリアル」
今年度8月~9月の間、サポートオフィスではインターンシップの学生さんを受け入れ、インターンシップの学生3名にサポートオフィス通信vol.32の記事の企画・作成をしていただきました。
「学生さんにも活動に参加してほしい」「若い人にも活動を知ってほしい」と思う団体の方も多い一方で、今の学生がどんな生活をしていて、どういうことに関心を持っているか、知る機会がなかなかない方も多いのではないでしょうか。
サポートオフィス通信vol.32の作成にあたり、インターンシップの学生3名にアンケート調査をしていただきました。回答した学生は47名。通信の記事にも掲載できなかった分も含め、アンケートデータの完全版を以下に公開いたします。
また、作成時の感想等も交えた座談会も記事化しています。こちらも学生さんたちのリアルな声が詰まっていますので、ぜひご覧いただければと思います。
*サポートオフィス通信32号はこちらからご覧ください*
市民活動・地域活動に対する学生の認識に関するアンケート
調査対象:インターンシップに参加した学生3名の知人・友人、まちカフェ!学生おうえん隊等サポートオフィスとつながりのある学生
回答数:47名(学年内訳:1年生6名、2年生6名、3年生28名、4年生7名/性別内訳:男性:16名、女性:31名、回答なし0名/学部内訳:人文科学9名、社会科学27名、理学・工学・農学4名、芸術・デザイン3名、医療・福祉4名)
Q1.NPOの活動や市民活動、地域活動、ボランティア、インターンシップについて知っていますか?(複数回答可)
Q2.NPOの活動や市民活動、地域活動、ボランティア、インターンシップに参加したことがありますか?(複数回答可)
Q3.NPOの活動や市民活動、地域活動、ボランティア、インターンシップなどの募集を知るきっかけは何ですか?(複数回答可)
知人からの紹介、大学からの紹介など「人を介した情報」が多いということがポイントです!「若者=SNS」と思いすぎず、口コミや紹介など地域活動と同じ方法で学生さんにも充分情報が伝わります。
Q4.あなたが普段使っているSNSを教えてください。(複数回答可)
LINEの利用率はなんと100%!若者にとってはインフラのような連絡ツールになっています。続いてTwitter、Instagramも8割以上の学生さんが使っています。Facebookの利用率は1割程度の結果となりました。SNSはツールによってよく使っている年代層が異なるので、届けたい人によって使い分けることがポイントです。
Q5.SNSやインターネットを使って地域活動やボランティアについて調べたことがありますか?
約3人に1人はSNSやインターネットで検索したことがありますが、その他の人は調べたことがないという結果に。Q3で、「募集を知るきっかけ」として口コミや人からの紹介などが上位にあがっているのも頷けます。
Q6.Q5ではいと答えた方へ質問です。何がきっかけでどのような内容について調べたか、覚えている範囲で教えてください。
●友人の紹介で学習支援のボランティアについて調べた。
●村おこしに興味を持った時期があり、それに関するボランティアがないか調べたことがある。
●地域の学習支援などのボランティアに参加しようと考えてネットで調べた
●大学のゼミで町田市社会福祉協議会の方にインタビューする機会があり、事前準備として、ボラセンや登録団体、学生の地域活動団体などを調べた。
●地域活動に興味を持ち、参加するために検索をした。
●地域活動に参加したくて調べたり、就職先関連で高齢者介護施設や障がい者施設の求人を見た。
●大学生活、何もしていないことに焦り、地域のボランティアについて調べた。
●ゼミで行なっているボランティア活動の一環で、過去にどのような形で行われていたのか前例を知るためにネットで調べた。 等
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地域活動やボランティアに参加してみたかったという理由も多いですが、大学の授業やゼミナールでの調査をきっかけに検索する方も多いようです。活動情報をこまめに更新しておいて損はなさそうですね!
Q7.あなたが地域活動やボランティアに参加する場合、どのような要素があれば参加しやすい、もしくはしたくなりますか?(複数回答可)
多くの方が「活動内容」「メンバーの雰囲気」「参加方法」などの分かりやすさを重視していることが分かります。初めての活動に飛び込むのは誰だって不安なこと。少しでも安心して参加してもらえるような情報公開を意識しましょう。
Q8.年代が自分より上の方が多い活動に参加するとき、どのような要素があると参加しやすいですか?
<若者歓迎編> ●若い人でも積極的にあたたかく受け入れてくれる雰囲気 ●「未経験者歓迎」や「年齢問いません」などの記載がある ●自分の年代を活動に参加してほしい理由が書かれている ●若い人を必要としていると言ってもらえると嬉しいし、参加のハードルが下がるように感じる |
<同じ年代がいる> ●自分と歳の近い人がいる ●友人と一緒に参加できる ●若い人が参加した実績がある ●若い人はどのように活動に参加しているかが分かる活動記録や写真等 |
<安心安全な場づくり> ●活動を始める前にアイスブレイクなどの時間を設けるなど話しやすい雰囲気がある ●活動以外でコミュニケーションの場があったり、分からないところを親身になって教えてもらえる雰囲気がある |
<情報公開> ●活動内容や活動の雰囲気が分かりやすく記載されている ●写真でも動画でもいいので団体の顔や佇まいがわかる ●募集の時点で活動内容や一緒に活動するメンバーのイメージがつきやすい |
<コミュニケーション> ●自己紹介等、メンバーの人がどんな人かを知る機会があり、コミュニケーションを取る際の話題が見つかりやすい ●話していくうちに打ち解けていくことができる ●自分たちと会話する時間をとってくれる |
自由記述欄の回答をカテゴリーごとに分けました。サポートオフィスでも学生さんと関わると、初めての場・初めて関わる世代ということもあり最初は緊張されている方も多いです。まずはできそうなことから少しずつ取り入れられるといいですね。
座談会
通信の作成に携わったインターン生(法政大学3年生 猪俣慎悟さん、相模女子大学3年 津野結衣さん、相模女子大学3年 三浦芽依さん)とサポートオフィス杉山久美子と橋本でふりかえりを行いました。こちらの話の中にも学生の本音とリアルが詰まっていますのでぜひご一読ください。
杉山:サポートオフィス通信の作成をしてみてどうでしたか?
全員:難しかったです~!(笑)
三浦:構成を考える過程がとても勉強になったな~と思います。
猪俣:意外と載せられる文字数が少ないので、伝えたいことと自分の意見とのバランスを考えるのが難しかったです。
杉山:今回アンケートを47人分も取っていただきましたが、皆さんが予想していたものと違う結果が出たデータはありましたか?
三浦:Q1・Q2のNPO、市民活動、地域活動、ボランティア、インターンシップについての認知度を確認したアンケートが印象的です。「インターンシップ」を知っている・参加したことがあるという人が意外に伸びなかったなと思いました。インターンシップは就職活動のためにほとんどの人が参加しているものだと思っていました。
猪俣:Q2のNPO、市民活動、地域活動、ボランティア、インターンシップに参加したことがあるか?という質問に対し、7割を超える人が「ボランティアを経験したことがある」と回答していることに驚きました。インターンシップ生3人の知り合いをベースにアンケートを取ったので関心のある人は多いかなと予想していましたが、それでも7割を超えるってすごいことだと思います。
あと、Q3の募集を知るきっかけについて聞いたアンケートを見て、「知人からの紹介」が多いことに驚きました。やはり口コミの力ってあるんですね。
津野:私も口コミが多いのだなと思いました。やはり知っている人が教えてくれることって信頼できる情報ですよね。団体さんも情報発信するときには、体験した人の声などを積極的に載せるといいのかなと思いました。
橋本:7割ってすばらしいです!でもなぜ学生の皆さんはボランティア活動に参加してくれるのでしょうか?
猪俣:大学生は時間的に余裕のあるタイミング(長期休み等)もあるので、その時間を有意義に過ごしたいという思いがあるのではないでしょうか。就職活動をするときにはガクチカ* についても聞かれるので、そのために話題作りにしたいというのもあると思います。
*「学生時代力を入れたこと」、「学生時代頑張ったこと」の略語
杉山:なるほど、ガクチカ!「学生さん、忙しいのに頼んでいいかしら~?」と思ってしまうことも多いですが、学生さんにとって学びになることであれば思い切ってお願いしてみても良いんですね。
橋本:とはいえNPOでの活動って、企業や行政への就職を目指す場合、なかなか直接的に将来には結びつかない面も多いかなと思いますが、そこら辺は皆さんどう考えていますか?
津野:最初から企業のインターンシップに1人で行くのは不安なので、企業より身近な地域活動・NPOのほうが参加するハードルが低いということもあるのではないかと思います。特に1~2年生はまだ自分の進む分野が決まってない場合も多いので、視野を広げたいという気持ちもあるのではないでしょうか。就職活動のときの話題にもなるし、全く知らない人とコミュニケーションを取る練習にもなりますし。
三浦:私もNPOでの活動は、就職活動のためはもちろん、自分の経験を積める場所だと捉えています。
猪俣:僕は「実績作り」と「話題作り」という2つの側面があると思っています。例えばこの団体の入会率を●%上げました、などは数字で示せる実績にできますし、活動で得ることができた価値観は就職先を決める上で軸という点で話題になると思っています。
橋本:なるほど~そう言っていただけるとNPO側としてはとても嬉しいです!では最後に、今回のインターンシップの感想を教えてください。
津野:私は町田市に住んでいますが、町田にこんなに活動があることを全然知りませんでした。「町田市って意外といいじゃん!」って思いました(笑)ご近所さんの顔も分からないという人も多い時代だと思いますが、今回のインターンシップで関わった団体さんは学生のほうへ歩み寄ってくれる方も多く、人と関わる機会があるということはいいことだなと思いました。
三浦:私は学生団体に所属して町田で活動をしているので同じ世代と関わることはこれまでも多かったのですが、異なる世代の方が活躍している姿を見て、あらためて町田の地域活動が活発であることを実感しました。このインターンシップの中で団体の方が話しかけてくださることも多く、私の意見も柔軟に取り入れてくださる勉強熱心な姿を見てすごいな~と思いました。
猪俣:町田ってパワーのある人が多いのだなと思いました。自分は地方出身で人口が10万人ほどの街に住んでいたので、43万人の力はすごいなと。活動に参加してみると、リタイア後に地域活動を楽しんでいる方が多いように感じました。それもとても良いことですが、30~40代を取り込めるような方法がもっとあると良いなと思います。
サポートオフィスでは、若い世代に活動に関わってほしい、一緒に取り組んでみたいというご相談も受け付けています。お気軽にお声がけください。