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実施報告performance

実施報告 2024年10月08日

【実施報告】まちだづくりサロン特別編「参加者全員がもっと関わりたくなる活動づくりのヒント」を開催しました

9月14日(土)、ぽっぽ町田にて「参加者全員がもっと関わりたくなる活動づくりのヒント」を開催しました。当日は28名にご参加いただき、参加者から赤裸々な活動に対する悩みや質問が出て、実りの多い時間となりました。

講師は、真庭市中央図書館館長も務める西川正氏(NPO法人ハンズオン埼玉副代表理事)。図書館やPTAなど様々な地域での事例をもとに、活動づくりのヒントを教えてくださいました。

途中、講演の中で出てきた「トークフォークダンス」と「七輪ワークショップ」を実際に行い、参加者が体験しながら活動や場づくりのヒントを学ぶことができました。

 

七輪ワークショップの写真、椅子を囲んで輪になって座って話しています。

七輪ワークショップの様子。真ん中の椅子に置いたA3用紙を七輪に見立て、付箋に<七輪で焼きたいもの>を書いて順番に話します。誰でも話しやすい話題でありつつ、その方の個人的なエピソードも聞けるので、立場や所属をこえて盛り上がります。

 

以下、講演の中で出てきたポイントや、参加者と質疑応答を行った「質問100本ノックタイム」の一部をご紹介します。


<参加者全員がもっと関わりたくなる活動づくりのヒント>

●安心を心がけて
→安心とは、例えば「仲間」がいること。「やったことがある」ことも安心材料です。安心が保障されると、人は「何かやってみよう」と思えるものです。

安心は自分ひとりでは作れませんが、となりの人に安心を与えることはできます。
組織の中では、一番弱い立場の人が安心できる組織になっていますか?。

●あそびを作る
→あそびとは、<余白や余裕>のこと。一見不要不急ですが、なくてはならないものです。組織や活動の中では、みんなでわいわいできる時間です。活動や組織に正解を設けないことが必要です。

●答え(アンサー)ではなく、応え(レスポンス)を大事にする
→人との関係を築くためには、「答え」ではなく「応え」が大切。たとえば、スマホ相談会で中学生がシニアの参加者のお悩みに一緒に悩むことで(「応え」ることで)、問題がすぐに解決しなくても(「答え」がなくても)、人はエンパワメントされ、関係性が深まります。

●「持ち寄り」で場を作る
→みんなで持ち寄ることで、みんなが当事者になれる参加できる場をつくれます。持ち寄るものは、食べ物以外に本や音楽などなんでもOK。


<質問100本ノックタイム>


Q1.町内会の活性化について。若い世代にもっと参加してもらいたいと、SNSやLINEグループなどに取り組んでいる。入会による負担と受益のバランスを取った場づくりのためには、何に取り組むべきでしょうか?


A.「仲良しに見えるグループ」には注意が必要です。特に、新しく参加しようとする人にとって、そのようなグループはとても入りづらくなってしまいます。ですから、新しい人が来たときには、全員でその人を大切にするという意識を持ち、積極的な声かけをメンバー間で約束事にするのも一つの方法です。。

また、よく「活動が負担だ」といいますが、実は、「負担」と「負担感」は異なるものです。たとえ同じように労力をかけていても(「負担」)、楽しく感じることもあります。「何のために」といった思いは、やってることがつまらなく感じたり、やらされていると感じたりしていることの表れです。他方、活動に対して「ありがとう」より「辛い・つまらない」と感じると、「負担感」が生まれます。この辛さには、意味不明感、やらされ感、わからない感、キャパオーバー感、孤立感が重なることで生まれます。つまり、安心が得られない状況が負担感を引き起こすのです。

孤立感は特に若い世代に多く見られる傾向があります。彼らは分からないことがあっても、人に聞くことをためらい、自分一人で与えられた仕事を抱え込んでしまいがちです。しかし、困ったことがあったときに、みんなで一緒にわいわい考えると、その時間は遊びにんってきます。

 

Q2.講演会で取り上げられていた図書館(西川さんが館長を務めている真庭市立図書館について、なぜ住民と一緒の場づくりが可能なのでしょうか?


A.市・教育委員会の方針、図書館の5か年計画など、方針の中に住民自治や住民参加がうたわれているから、ということと、おそらく人口が少ないからではないかと考えています。都市部ではすぐに「苦情」が入りますから。

Q3.町田市の図書館で再現性はありますか?


A.図書館として何を目指すのかを明文化することが大切です。例えば、真庭市図書館の計画には、「図書館は、地域の自治の拠点となる」ことが明記されています。このように、図書館の役割や目指す方向性を言語化し、共有することで、関係者や利用者にもその意図が伝わりやすくなります。

Q4.場を作るとき、どうやって協力者を募り、コミュニケーションを取ったらいいでしょうか?


A.①図書館への協力者という視点ではなく、「その人」と一緒にできることはないだろうかと考えるようにしています。

②「大人としゃべり場」の参加者は、コネや知り合いを通じて誘った人です。安心を保障するのは、最終的には「人」です。誘ってくれる人が自分にとって信頼できる、安心できる人だから、やったことのない活動に参加してみてもいいかと思えるのです。

Q5.仲間集めをしたときに人が集まってくれるのか不安です。


A.仲間集めのために、まずは発信することがとても大切だと思います。「こんなことができる人なんだ」と思ってもらえるように、自分の考えや企画を周囲に伝えてみましょう。

Q6.発信のコツを教えてください。


A.地域の活動では、口コミの方が効果的な場合が多いです。発信するときには、「正しさ」を前面に出さないように気をつけています。理念や大義を強調しすぎると、逆に共感を得にくいからです。

たとえば、焼きいもイベントのチラシには「お父さんたちの仲間づくりをしてほしい」といった具体的な目的を書かないようにしています。「おいしそう」や「たのしそう」と感じてもらえるように呼びかけます。

Q7.地域メディアの運営にボランティアとして関わっています。定期的にSNSを更新するために負担が増えてしまう中で、楽しさと成果を両立させてメディア運営するコツはありますか?


A.ルーティンワークについては、向き不向きはあると思います。ルーティンワークは、向いている人や負担に感じない人が担当するのが良いかもしれません。誰が担当するとしても、一人で抱え込み頑張るのではなく、周囲と連携して、孤立感をなくすことが大切だと思っています。運営の過程の中でメンバー同士の関係性が築かれていくことも、楽しさと成果の両立に繋がるポイントだと思います。

 


<参加者の感想>
・シェアすることの大切さを実感しました。活動の作業も、責任も、喜びもシェアして仲間作りをしよう!と思いました。

・実際の取り組み事例はユーモアと遊び心が満載で、思わず顔がほころぶようなものばかりで、「遊びとあそび」「答えと応え」「持ち寄り」「対話」などと言ったキーワードの意味が深まりました。同時に、自分の頭をもっと柔らかく、そして子どものような感性を取り戻していきたいと感じました。

・協力者を得るという考えではなく、その人と一緒に何ができるか?を考えるという言葉に、ハッとさせられました。

・講座の中で取り組んだ2つのワークでは、短時間で相手の人柄を感じ取れ、今まで話せなかった人とも自然に交流ができたことが印象的で、本当に「楽しい!」と感じました。

 

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