【実施報告】昭和薬科大学地域連携センター・町田市地域子育て相談センター共催「おくすり・子育て相談カフェ」が開催されました。
2025年2月27日(木)10時30分~12時、昭和薬科大学カフェすずらんにて昭和薬科大学地域連携センター(センター長吉永真理教授)と町田市地域子育て相談センターが開催した「おくすり・子育て相談カフェ」の様子を報告します。本企画は、子育て世代が薬剤師に気軽に相談できる場として実施しているもので、サポートオフィスは、本事業の運営に協力しております。
当日は、お母さん3名と赤ちゃん2名が参加しました。はじめは子育て相談センターの方と親子で一緒にコミュニケーションをとって過ごしました。赤ちゃんたちが慣れてきたあとは、お母さんは赤ちゃんと離れて、ゆっくり薬剤師さんへの相談タイム。赤ちゃんたちは、子育て相談センターの職員の方に抱っこされ眠ったり、昭和薬科大学の学生とおもちゃで遊んだりして過ごしていました。

▲薬剤師におくすり相談している様子
相談タイムでは、テーブルを囲んでお母さんたちと薬剤師がざっくばらんにお話しました。
以下当日にあった相談と回答をいくつかご紹介します。
Q 子どもが粉薬を嫌がり飲まなくなってしまっている。市販の服薬補助のゼリーを使ったり、子どもの好きなジュースに混ぜたりと工夫しているが自我が強く苦戦しています。良い方法はありますか?
A 1歳を過ぎたころからの自我の芽生えは成長の証で、薬を飲まなくなるものだと思います。そのうえで、工夫できるポイントをいくつか紹介します。①なるべく少量にする、②ジャムや離乳食果物ペースト等とろみがあるものの中にいれる、③水でねってまるめたものを歯ぐきと頬の間や上あごにいれる。是非試してみてください。
また「薬はそのまま飲むもの。おいしいものではないが、必要なもの」ということを子どもに伝えておくと、成長した後に飲ませやすくなりますよ。
Q 保育園に通っていて鼻水がすぐに出てしまいます。鼻水を止める薬はよいのでしょうか。
A 鼻水を止める薬の処方は、医師の方針や子どもを取り巻く環境によると思います。例えば、保育園が鼻水が出ている状況で登園OKかNGかどうかなどで必要性も変わります。鼻水を止めると、耳に回ってしまい中耳炎になることもあります。医師は子どもの骨格や体重なども考えたうえで、薬を処方しています。
Q 症状がおさまったが、処方された薬が残っている場合どうしたらよいでしょうか。
A 医師や薬剤師にあらかじめ途中で薬をやめていいか聞いておくと良いと思います。特に大量に薬が処方された際などは聞いてみてください。
この他にも、お母さん方からの質問に対して専門家視点からのアドバイスがあり、時間いっぱいまでお話されていました。日ごろじっくり話す機会のない薬剤師の方と話せたことで、薬剤師の仕事を身近に感じることができたようでした。
最後は、子育て相談センターによる「お楽しみの時間」。わらべうたを歌いながらの手遊びや、大型絵本の読み聞かせなど、親子と学生みなさんと一緒になって楽しみました。0歳の赤ちゃん同士もお互いの存在に気付いてコミュニケーションをとっていて微笑ましかったです。
相談センターの職員もお母さんとお話しする中で、日ごろの子どもの成長についてやお母さん自身の悩みについてなどを伺うことができ、共に考える時間となりました。

▲「お楽しみの時間」の手遊び
◆参加者の感想
・子どもと離れるとどうかな?と思いましたが、楽しく遊んでもらっていて良かったです。
・はじめて交流の場にきましたが、子どもが色々なおもちゃに興味を持っていて驚きました。
・大人だけでじっくり話をする時間があってよかった。
・楽しい時間をありがとうございました。
薬剤師の先生方からは「もっと気軽に相談してもらえたらと思う」「忙しくても患者さんの相談に向き合いたい」という言葉がありました。また、今回お手伝いとして参加した薬学部の学生には「将来薬剤師になった時に、患者さんがなんでも聞いていいと思えるような場をぜひ作ってほしい」というメッセージが向けられました。
次回は、薬剤師として参加したいと、頼もしい発言もありました。
本事業は、昭和薬科大学、町田市地域子育て相談センター、薬剤師、学生、サポートオフィス、そして参加した子育て中のお母さんと地域の中で様々な立場の人が一緒になって行う事業です。参加者同士が繋がりをつくったり、それぞれの活動を知ったりする機会としても大切にしていきたいと思います。
今後も引き続き「おくすり・子育て相談カフェ」を実施していく予定です。