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実施報告performance

実施報告 2024年07月12日

【開催報告】まちカフェ!インクルーシブ研究会vol2 「視覚障害の方の日常を体験しよう!」

7月4日(木)まちカフェ!オープンデー内で<まちカフェ!インクルーシブ研究会>vol2「視覚障害の方の日常を体験しよう!」(講師:ブラインドITサポート町田)を開催し、26名の方にご参加いただきました。体験を交えた内容で、あっという間の1時間でした。

 

*ブラインドITサポート町田 bismachida.jp
視覚障害者が、 視覚障害者にスマートフォンの使い方を教える講座を開催している団体。 教わった方が次は教える側になり活動をつないでいる。


インクルーシブ研究会vol2  結論と考察

1 大丈夫ですか?と聞かれると人は「大丈夫です」と答えてしまう。具体的に声をかけてもらえると良い(「何かお困りのことありますか」「電車に乗るんですか」)。

2 ガイドヘルパーは、1ヶ月前に予約が必要。イベント、会議の日程は早めに知らせてほしい。

3 視覚障害者にとってスマートフォンは、ポケットに入れられる第3の目。

4 視覚障害者が使いやすいものは結果的に多くの方にとっても使いやすいものになる。

 

考察: 相手の困りごとをきちんと理解するためには、「大丈夫ですか?」という言葉ではなく、相手が答えやすい具体的な声がけをすることが大切。このことは、視覚障害の方へのサポートだけでなく様々な場面で意識するとその方の状況が具体的に把握でき、より良いサポートにつながると感じました。

 


 

ブラインドITサポートの登壇者4名への参加者からの質問タイムの様子をうつした写真。全体で20名弱位の人が会場にいます。

「遠慮なくなんでも聞いてください」というブラインドITサポートの方からの声がけで質疑応答中心にすすめました。


<はじめに>田中雅江さん、石渡由美子さん、井上直也さん、勝田修治さん

田中さん

中途失明。見えにくくなる中で、どうすればよいかと考え、スマートフォンを使いたいと思ったが教えてくれる人がいなかった。その経験から、同じ視覚障害の人に教えることが私にできることブラインドITサポート町田を立ち上げた。

 

石渡さん

本日、市役所1階で期日前投票してきた。日本点字図書館が作った投票用の補助ツール*を使用して、自分で候補者名を記載して投票した。最近導入している自治体が増えている。今回は、自分で購入して持参したが、町田市でも導入してもらいたい。

*候補者の名前を書く部分が切り抜かれているプラスチック製のファイルhttps://yougu.nittento.or.jp/product1986_131.html

 

井上さん

中途の全盲。失明してから9年目になる。光も全く見えない。

 

ガイドヘルパー勝田さん

ブラインドITサポート町田の数少ない目の見えるメンバー。教室でスマホを教える担当をしている。視覚障がい者は、iPhoneが多いので、自分もお手伝いするためにiPhoneに変更した。

 

<質疑応答>

Q 視覚障害者がZoomミーティングで、できることできないこと

A パソコン、スマホそれぞれの端末いずれからも参加できる。また、自分たちが主催の会議、他の方が主催で参加する会議どちらも参加可能。

視覚障害者は、マウスではなくキーボードのショートカットキーで操作するので、パソコンで参加する方が難しい。スマホのほうが参加しやすい。また、音声読み上げ機能の声が入ってしまうことがあるので、イヤホンをして参加している。チャットも読み上げ機能があるので問題ない。

苦手なのは、「ブレイクアウトルーム」。「参加しますか?」と表示されて「はい」と押して移動する場合、「はい」の位置がわからない。ブレイクアウトルームを実施するときは、「オプション」で「割り当て済みの全参加者を自動でブレイクアウトルームに移動」という設定にしてもらえると良い。

 

Q ホール等でどのようにご案内すると良いか

A 点字ブロックは行き先が書いてない。止まる、曲がるのみ。知らない場所はガイドヘルパーさんと一緒に行く。最近は、色々な人が声をかけてくれるようになった。いきなり声をかけられるとびっくりする。特に大きい声だと驚くので、普段話す声のボリュームの半分位で声をかけてもらえると良い。

人間は、「大丈夫?」って聞かれると「大丈夫」と答えてしまう。具体的に声をかけてもらえると答えやすい。例えば「お困りですか?」、「電車に乗るんですか」、「私、改札通りますけど一緒に行きますか」など。

A トイレがわかりにくい。トイレは、流すの機能がが統一されていない。自動、ボタン、レバーなど。ガイドさんと一緒の時は、トイレ内部の様子を教えてもらってから入る。また、スマホを使ってテレビ電話でボランティアさんとつなぐことができるサービスがあるので、その機能を使って、カメラにうつして流す場所、バッグをかける場所を聞くことも。

多目的トイレは、特に視覚障害者には、使いにくい。便利だけど広すぎる。トイレで困っている様子の方がいたら、ご一緒しましょうか、お教えしましょうか、と声をかけてもらえると助かる。

A トイレの中で遭難したというのは、視覚障害者あるある。個室でいうと最近は、おむつ替え用のベッドがあるトイレも多いが、必ず使い終わったらを閉じてほしい。白杖は足元しか探れないので、腰の高さに障害物があるとぶつかってしまう。

Q 最近の視覚障害者のスマホ、パソコン事情について教えてほしい。

A パソコンの状況は、大きな変化はない。スマホは、ボイスオーバー、画像認識、読み上げ機能、ボランティアさんとビデオ通話などのアプリを使っている。いまや、スマホは、ポケットに入れられる第三の目という認識。障害者と高齢者ほどデジタルツールの恩恵を受けることができる。

A SNSやホームページの画像投稿は、「代替テキスト」に<〇〇に行ったときの〇〇の写真。背景には、〇〇がうつっている>など解説いれてもらいたい。AIの画像認識もあるが、人数、晴れているくらいしか伝えてくれないので、具体的な紹介文が入力されているとうれしい。

Q イベントの周知を身近にするにはどうしたらよいか。

A どこに情報を探しにいって良いかわからない。公共機関で音声で流してもらうなどがあると良い。SNSでの告知は、有効。ただ、ガイドヘルパーさんを使うのに1カ月以上前に予約しないといけないので、できるだけ早く告知していただけると良い

<体験タイム>

体験タイムでは、マスクで目を覆った状態で、ペットボトルとおにぎりを選び、おにぎりの包装をむく体験をしました。普段、食べ慣れているコンビニのおにぎりも目を覆った状態だとなかなか包装をむくことができません。

また、ペットボトルは、底に足がついている形状のものが炭酸、底が平らなものがお茶や水ということを知りました。

体験の最後に井上さんから、「ペットボトルのように触ることで理解できるものは色々ある。例えばシャンプー・リンスのギザギザは有名です。シャンプー・リンスを使うときは、目をつむっている人も多いと思うので視覚障害者ではない方にとってもこうしたデザインは、便利なのではないかなと思います。そうしたことが広がると良いのではないでしょうか」というお話しがありました。

体験会の様子。参加者は目にマスクをしています。目にマスクをした状態でおにぎりのフィルム向きに取り組んでいます。

参加者全員で実施した体験会はとても盛り上がりました。

 

<情報提供>

最後に町田市福祉総務課から町田市障がい者差別をなくし誰もがともに生きる社会づくり条例について紹介がありました。

 

<参加者アンケートから>

・あっという間の時間でした。 今まで視聴覚障害の方と接したことがなかったので、とても勉強になりました。  今後困っている方を見かけたら、声かけに工夫して接することができたらと思いました。

・業務で視覚障害の方の対応があったり、3人の方からのお話が参考になり学びになりました。

・どういったことに困っているか、どういう行動が助かるかなど、視覚障がい者当事者の話を聞いて、 我々がバリアフリーの面で見落としていた部分を再発見することができたので、いい機会でした。


次回、まちカフェ!インクルーシブ研究会(通称:まち研)は、「子どもが安心できて心地よく過ごせる場づくりのヒント」をテーマに、横山雅代さん(一社つるかわ子どもこもんず理事、子どもアドボケイト)が講師となって開催します。

▼詳細・お申込みは下記よりお願いします。

【次回 8/1(木)】 誰でも気軽に立ち寄れる地域活動のつながりの場~まちカフェ!オープンデー~開催!

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