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団体訪問visit

団体訪問 2025年09月08日

<まちだづくり応援基金インタビュー>町田いのちの授業研究会 助産師サークル

昨年度よりスタートした「まちだづくり応援基金」による助成事業の助成対象が8月に決定しました。サポートオフィスでは採択された9団体/個人に、活動への想いや今後の意気込みを語っていただくインタビューを実施しました。インタビュアーは、今夏さがまちインターンシップ(運営:さがまちコンソーシアム)のプログラムで、8日間サポートオフィスでインターンシップを行った大学生の皆さんです。

*まちだづくり応援基金についてはこちらをご覧ください
*今年度採択団体情報についてはこちらをご覧ください


町田いのちの授業研究会 助産師サークル

8月23日、としの助産院にて「町田いのちの授業研究会 助産師サークル」のメンバーの皆さまにインタビューを行わせていただきました。

インタビューの様子6人の方が円で対話しています。

としの助産院でのインタビューの様子

Q1.この活動を始めたきっかけや活動内容について教えてください。

A1.  2012年、町田市のある中学校の養護教諭から一本の電話がきっかけで、「いのちの授業」が始まりました。助産師として日々出産に関わる中で、「命の重さ」を子どもたちに直接伝える活動ができないか、という想いから、有志の養護教諭と助産師数名で始めた小さな取り組みでした。

活動の目的は、「生きること」「命をつなぐこと」の大切さを伝えることです。最初の頃は、妊婦体験をどう行うか、赤ちゃんの人形をどう用意するかなど、毎月夜に集まり話し合いを重ねてきました。お金がなければ、自作。リュックに砂を詰めて重さを再現したり、人形をかき集めたりと、工夫を凝らして活動を形にしていきました。

現在では、町田市内の中学3年生を中心に、年間10校以上で命の授業が実施されています。特に多いのは、受験が終わった後、卒業直前の3月で、高校進学を前に、「これからの生き方」や「自分を大切にすること」を考える時間となっています。市内全20の中学校で実施することを目指しています。

授業では、妊娠・出産のリアルな話、心音を聴く体験、赤ちゃんを抱っこする体験など、体験型学習が中心です。10年以上続くこの活動の軸は、「命を知ることは自分を知ること」という考え方にあります。

中学生がハートの紙をみている写真

ハートの形に切った紙の真ん中に受精卵の大きさが分かる穴が開けてあり、明かりに透かして見る

Q2.みなさんの活動への想いを教えてください。

A2.

・生後間もない乳児遺棄のニュースを目にすると「そのような事が起こる前に何かを伝えられなかったか」と悔しい気持ちになります。同じような状況にある若い命たちに、もっと早く、正しい情報を届けたいと強く思うようになりました。

・私は助産師の仕事の他に大学院で研究をしています。性教育が単に性行為に関することだけでなく、幼児期から命の大切さや自分を守る力を養う教育であるべきだと考えるようになりました。幼児への性教育に関しても重要なテーマとして研究し、実践に活かせるようにしたいと思っています。そして、その際に大切なのは保護者の理解だと考えています。

・最初はサポート役として活動を始めましたが、今では自分自身が講師として授業を担当する立場になり、子どもたち一人一人に向き合えるようになりました。この活動を通じて自分自身の成長も感じています。

・自分と同じ世代のママが子どもにどう話すか悩んでいるという話を聞いたりもするので、そういった想いにも寄り添えたらいいなと思っています。

・大学時代、「ぷれいす東京」というHIV/エイズの方の支援団体でボランティアをしていました。その中で性教育の活動もあったのですが、様々な背景で実施できなくなってしまったという経験があります。その経験から、いつか取り組みたいという想いがずっとありました。

・病院で勤務していたとき同僚と幼児向けのいのちの授業に少しだけとりくんだことがあります。いつかきちんと取り組みたいと思っていたので、参加しました。

Q3.やりがいを感じることについて教えてください。
A3.

・中学生も大人もみんな自分のことを知りたいんですよね。自分のことを知って「自分っていいな」と思ってもらうことができることがやりがいです。

・中学校の授業では赤ちゃんにも参加してもらうのですが、付き添いで来ていたお父さんが、「知らないことがたくさんあった」と感想を話してくださった時、もっと伝えなければならないと感じました。

・私たちは、「親に感謝しなさい」とかそういった話はしません。中には家庭のことで辛い思いをしている子もいます。そういった生徒から長い感想をもらうこともありますが、そうした子たちに響いていることがあって、感想を寄せてくれたのだと感じると、活動を続けていかなければと思います。

Q4.今後の取り組みについて教えてください。

活動が広がるにつれて、「いのちの授業」は「包括的性教育」へも広がりつつあります。単に「命は大切」と伝えるだけでなく、自分の性や相手の尊厳をどう大切に扱うかというテーマにも踏み込んでいます。

しかし、保護者や教員、地域の方々は、学校で性教育を受けていない世代です。そのため、反発や誤解も少なくありません。「そんな話は早すぎる」「出産の苦労をもっと伝えるべきだ」といった意見も寄せられます。

そのような背景から、現在中学生を対象に行っている「いのちの授業」を、保護者や地域の支援者など大人世代に向けても発信していきたいと考えています。

まちだづくり応援基金では、その目的の一環として、まちカフェ!で一般の方向けに「出張!いのちの授業」を開催予定です。

町田いのちの授業研究会 助産師サークルでは、まちだづくり応援基金の助成金を活用し、以下のイベントを開催します。最新情報については、団体のホームページをご覧ください。


町田いのちの授業研究会 助産師サークルでは、まちだづくり応援基金の助成金を活用し、下記のイベントが開催されます。最新情報については団体のInstagramをご覧ください。

町田いのちの授業研究会 助産師サークル
日時:11月29日(土) ○○時~○○時
場所:町田市役所(町田市市民協働フェスティバルまちカフェ!内)

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