<まちだづくり応援基金インタビュー>萩原恵美子氏
昨年度よりスタートした「まちだづくり応援基金」による助成事業の助成対象が8月に決定しました。サポートオフィスでは採択された9団体/個人に、活動への想いや今後の意気込みを語っていただくインタビューを実施しました。インタビュアーは、今夏さがまちインターンシップ(運営:さがまちコンソーシアム)のプログラムで、8日間サポートオフィスでインターンシップを行った大学生の皆さんです。
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9月4日、萩原恵美子氏にインタビューを行わせていただきました。不登校の子どもたちがワークショップ参加者に折り染めのやり方を教える「不登校経験のある中高生の折り染め先生プロジェクト」。人に教える・発信する経験をすることで、子どもたちの大きな自信につながっているそうです。町田市での活動に今年初めてチャレンジされる萩原さんにお話を伺いました。インタビュー内容を下記にまとめましたのでご覧ください。

実際に見せていただいた折り染めの作品。
Q1.不登校の子どもたちの支援を行おうと思ったきっかけは何ですか?
A1.もともと英語の教員として担任をしていたとき、不登校の子どもと出会いました。一対一で関わるうちに、その子が再び学校に通えるようになった経験があります。不登校の子どもたちは、自分自身について深く考えたり見つめ直したりする時間が長く、そのような時間に関わることに大きなやりがいを感じました。
Q2.町田市でも活動を広げていきたいと思ったきっかけは何ですか?
A2.さがみはら地域づくり大学というプログラムの一つの講座にサポートオフィスの杉山さんの講座がありました。そのことをきっかけに町田でも活動を広げてみたいと思いました。相模原市に住んでいて近いのもありますし、他の市での活動の可能性を探ってみたかったというのもあります。
Q3.実際に折り染めワークショップの先生を担当した子どもたちの感想で印象に残っていることはありますか?
A3.不登校の子どもたちは比較的絵を描くのが好きな子どもが多いと感じているのですが、絵をほめても「誰でも描けます」とか「全然うまくないです」と否定するんです。折り染めは色を付けてから実際和紙を広げるまでどんな柄になるかわかりません。偶然できた柄をほめると「自分もきれいだなって思いました」「けっこううまくできました」と受け入れてくれるんです。それからまた描いた絵をほめると「ありがとうございます」と言うようになった子どもがいて、折り染めの力だなと思いました。
Q4.活動の狙いと魅力について教えてください。
A4.不登校の経験がある子どもたちが、「まちカフェ!」で一般の方に折り染めのやり方を教える企画を実施します。私は、子どもたちにとってある程度の緊張感は大切だと考えており、「失敗の少ない折り染めを教える」という活動は、ちょうどよい緊張感の中で何かをやり遂げる経験として最適だと思っています。また、子どもたちが「先生」として誰かに教える機会はあまり多くないため、この経験が、彼らにとって人生の新たな一歩を踏み出すきっかけになればと願っています。
Q5.今後チャレンジしていきたいことはありますか?
A5.中学生の不登校の子どもたちが小学生の不登校の子どもたちに教えるワークショップをやってみたいと思っています。不登校を経験した子たちが少し上のお兄さん・お姉さんがこんなふうに活躍しているんだという安心感を持ってもらいたいです。
また、中学生が空港で外国人の方々に折り染めを英語で教えるという取り組みにもチャレンジしてみたいです。教えるときに何を英語で話すかは最低限のことを覚えればできちゃうと思います。子どもたちにとって「英語で教えたんだぜ」という自信になるような取り組みにしていきたいです。
不登校経験のある中·高生の折り染め先生プロジェクトは、11月29日に行われる町田市市民協働フェスティバルまちカフェ!で出展されます。詳細はInstagramをご覧ください。

萩原さんが制作された折り染めモンスター。まちカフェ!当日に販売予定です。
