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実施報告performance

実施報告 2026年02月16日

【実施報告】第4回まちだのコーディネーター研究会を開催しました

2月12日、第4回まちだのコーディネーター研究会を開催し、対面2名・オンライン9名の計11名の方々にご参加いただきました。

学校、福祉、地域、市民活動と様々な場面で名称に「コーディネーター」と付く職業や、職業としてではなくても地域活動の様々な場面で「コーディネーター」的な役割を担う方も多くいらっしゃいます。本研究会では毎回ゲストにまちだのコーディネーターに必要な「専門性」をインタビューし言語化すること、そしてコーディネーター同士の情報交換の場となることを目的として開催しています。

インタビュー項目は、6月に開催した第0回コーディネーター研究会の参加者の方々と共に考えた質問項目です。

今回のゲストは、下記のお二人でした。

<今回のゲスト>

・福原 信広さん(サレジオ工業高等専門学校事務局長・教育機関とコトをつなぐコーディネーター)
・富澤 茂雄さん(町田まちづくり公社事業部長/まちとコトをつなぐコーディネーター)

 

 

トークセッションの様子。左からサポートオフィス喜田、富澤さん、福原さん。

トークセッションの様子。左からサポートオフィス喜田、富澤さん、福原さん。もともと仲の良いお二人で共通の話題も多く、和やかに進んでいきました。

 

以下、詳細なインタビュー内容を公開します。


<自己紹介>

富澤さん 「ぽっぽ町田」や「はっとまちだ」などを運営する町田まちづくり公社の事業部長をしております。主な事業や目的はイベント会場の管理、中心市街地の活性化、行政・関係団体との連携です。私はかれこれ25年くらいずっと公社に勤めています。

福原さん 大学卒業後、35歳まで金融機関で働いていました。そのうち6年間くらいが町田・相模原エリアの担当だったのですが、そのときのご縁で母校の大学職員として勤めることになりました。そこでは地域連携、産学連携、大学院の事務を経験させていただきました。現在はサレジオ工業高等専門学校事務局長として事務全般の責任者、そして、地域連携と産学連携の業務も担っています。

<インタビュー内容>

Q1. ご自身のコーディネートスタイルについて、「理論派・経験派・感覚派」の割合で表すと、どのようになりますか?

富澤さん 段階的に使い分けています。「ぽっぽ町田」ではイベントをよく開催しており、その担当を長年しているのですが、これまでも様々な関係団体と仕事をさせていただきました。イベントを開催するとき、まず「理論」では、「何のためにやるのか」、「どのような成果を得たいか」という目的が合致しているかどうか、そして「実現可能なのか、現実的かどうか」ということも必ず見るようにしています。「経験」はイベントを組み立てていくのに必要なことが多いですし、「感覚」的なアプローチのほうが伝わることもあるのでそれも使い分けています。

若い頃は「感覚」の比重が大きかったと思いますが、その後経験も積み、理論も大事にするようになってきました。関わる団体は商業的なイベントで物販を目的とされている方から公益的な団体による相談会までさまざまです。その都度「何を大事にしているか」ということを確認して固めていくようにしています。

福原さん 建前的には「理論30%・経験30%・感覚30%」と言いたいところですが、実際は案件ごとに変わります。同じ案件は一つとして無いですし、今でも初めてのことが多いです。3~4者が関わっている場合、落としどころを見つけることも必要です。それぞれベクトルやレベルも違うこともあるので、相手が何を考えているのかを捉えるようにしています。コーディネーターというよりは、ネゴシエーターであり黒子のような感じでしょうか。

こう見えても悩むんですよ(笑)
でも、みんながどうしたらハッピーになれるか最悪なイメージはどんな場合かということを常に考えるようにしています。最初に「ん?」と思ったときはうまくいかないことも多いです。そういう意味では感覚100%のときもありますね。

 

Q2. コーディネーターの役割を後輩や仲間に伝えるとしたら、どう伝えますか?

富澤さん 実務的には、「つなげる」、「調整する」、そして色気はないですが「間に合わせる」ことだと思っています。イベント運営においては主体は団体さんなので、黒子に徹したほうが公平で客観的でいられると思っています。団体さんに入り込んで一緒にやっていくという雰囲気も個人的には好きですが、どこかで引いた目で見る必要があると思っています。「時間とタスクを頭に入れなさい」ということはスタッフにはいつも伝えています。

私たちの仕事が「コトづくり」だとすると、「コト=達成する」必要があります。そのためにはありとあらゆる調整をするし、実行を担保できるように務めます。時と場合によっては、間に合わないことも成果や学びになることがあるとは思いますが、私たちはそうはいかない仕事が多いです。

福原さん 知り合いの大学教授から、「段取りと計画は違う(計画というのは自分の頭の中でできていること、段取りというのはその計画を関わっている人みんながわかっている状態)」と教えていただきました。この教授は段取りについての論文を出されています。段取りさえできていれば、不可抗力があってもちょっとした工夫で力を合わせて乗り越えることができます。「頭の中で整えみんなに知らせる」というのが役割だと思っています。

自分がリーダーじゃないときには、自分の経験を活かして「アラートを鳴らす役割」も担っていると思います。だからこそこれまでの失敗体験や経験が沢山あったほうが伝えられることが多いと思います。

 

Q3. これまでにコーディネートの過程で直面した困難や課題はどのようなものでしたか?また、それをどのように乗り越えましたか?

福原さん 自分はこれまで完全に納得したことはありません。失敗も次に活きればいいけれど、なかなか同じ場面も出てこないですね。悔しいなと思うことも多いですが、自分の中で積み重ねていくしかないと持っています。乗り越え方というのは、同じ失敗はしないということでしょうか。愚痴はほぼ言いません。次行こう!という気持ちで取り組んでいます。

富澤さん 団体同士のスピード感が合わないときに、失敗しそうだな~と感じることが多いです。そのときはできる範囲で調整をします。ボトルネックになることがあれば、ヒアリングをします。乗り越え方というのは、特に学生さんと一緒にやるときですが、「待つ」ことですかね。「間に合わせないと…」とヒリヒリした気持ちにもなりますが、ギリギリまで待つと出てくることもけっこうあります。ただ本当にできないとなるとまずいので、「リミットを持つ」ということは意識しています。それは時間的なことであったり、金銭的なことであったりします。その分先手を打ったり戦略を持つことも大切です。

福原さん だんだん我慢強くなりますよね。

富澤さん 経験がないと、待つことにリスクを感じてしまいますからね。

 

Q4. コーディネーターの成果を具体的に感じたエピソードと、それを評価する指標について教えてください。

富澤さん 自分が組み合わせた団体同士が、自分がいない場でもまた一緒に何かやっているときに成果を感じます。自分たちはきっかけを創出しただけですが、人とのつながりがあって「コト」が始まるので、つながりの継続性ということは一つ指標になると思っています。

福原さん 地域連携・産学連携それぞれで異なります。産学連携は商品開発や研究結果などが世に出て、評価され、ニーズが判明し、また探求をしていくというサイクルがあるので、比較的成果が見えやすいです。地域連携のほうが見えづらいと思います。一つ例に挙げると、以前「まちだDサミット」の立ち上げに関わらせていただいたのですが、福祉・地域・大学・学生が力を合わせて取り組んだイベントで、今も続いているしつながっています。

評価はしなくちゃいけないものかどうか、評価されるのは実施者かコーディネーターかという視点はさておき、良い事業は継続し、発展・進化していくし、新陳代謝があると思います。自分もそこに関わることで日々成長させてもらっていると思います。

Q5. コーディネーターとして活動する中で、最も大切にしている価値観や判断軸は何ですか?

富澤さん 限られたリソースの中でどこまで行えるか」ということです。納得感を持てるかどうか、ベストを尽くせたかどうか。そういう意味では反対に、準備をできる範囲でしておくということも大切にしています。

福原さん インスピレーションですね。あるとないとで自分の気持ちの動きも変わります。知り合いには、「それって周波数だよね」と言われますがその通りだなと感じます。1Hz違うだけでまったく違いますからね。合わせていくこともありますし、合っちゃったということもあります。

Q6. 地域資源を開拓する際、どのようにアプローチしていますか?

富澤さん 常にいろいろアンテナを張り、情報収集するようにしています。新しい人や団体と出会うと、この人にどうやったらまちづくりに関わってもらえるか、どうやったら一緒に何かできるか、という展開を考えるクセみたいなものがついていますね。また、社内では「この会社にお願いしたいリスト」みたいなものを共有しています。情報をストックしておいて、機を見てお声がけするようにしています。

福原さん 現在、NPO法人の代表理事、相模原市の某審議会委員、地域学校協働活動推進員、某商店会の役員など、さまざまな立場があり、そこでいろんな業種の人と関わることが自分にもプラスになり、勉強不足を解消させてもらっています。例えばDサミットで学んだことは自分の親の介護のときに活きましたし、教員の大変さを知ることで学校運営協議会での発言も変わってきます。

分からないことは何でもかんでも吸収するようにしています。「できません」と言うのは簡単だけれど、「今はできないけど、こうしたらできるかも」ということを相手伝えて、相手の力を借りながらやっていくようにしています。それが思わぬところでつながるから面白いです。金融機関で働いていた頃は1人400~500社を担当していたので、20~30の案件が同時に進むのが怖くないというのは職業病でもあると思いますが(笑)、今に活きていると感じます。

 

Q7.つながることが難しい方とどうつながりをつくっていますか?

富澤さん 人脈を辿ってなんとかつながるようにします。例えば福原さんにも相談することもありますし、今後も相談させてもらいたいと思っています。人脈が辿れないケースであれば素直にダメ元でも連絡して、想いや目的を伝えます。

福原さん 「合う・合わない」はもちろんあると思います。でもそれは主観が入っています。とある会社の経営者の方に、「友達は少なくてもいいが、仲間をたくさん作れ」と教わったことがあります。仲間というのはミッションが同じだから、好き嫌いという感情で動くものではないということですね。ミッションが同じであればどんな相手とも一緒に取り組めると思っています。

 

Q8.コーディネートの活動において、参考になった書籍や映画、印象に残っている研修などがあれば教えてください。

富澤さん 私はMLBを観るのが好きなのですが、「マネーボール」という映画が参考になりました。お金のないチームがデータベースを活用して大逆転するというストーリーなのですが、その中では各人が得意を活かし、人材をコーディネートし、そのためにデータベースを活用し、その中にはもちろん感情も混ざっていて、いろいろが詰まっています。リソースがなくても工夫できるということを感じます。

福原さん 自分はアメリカンフットボールをやっていたのですが、ラグビーの「One for All, All for One」という言葉が好きです。みんなが頑張るから自分も頑張れる、アメフトも11人が11人それぞれの仕事があります。役割を全うしないと仲間として認められないので、みんなで取り組んでいきます。何度もスカウティング(相手チームの分析を行うこと)を通して他者理解をしたうえで自分のすべきことを考るというのも、コーディネーターの役割と近いですね。

 


<参加者から当日寄せられた質問>

Q まちづくりという言葉は福祉の文脈でも使われますが、富澤さんはまちづくりをどう捉えていますか?

富澤さん まちづくりは言葉として本当に広いですね。私たちの事業である駐車場管理や貸会議室など一見まちづくりには直接関係ないように思えると思いますが、駐車場に停めたあとどこに導線があると良いか、街で遊んでもらうために何があると良いかなど、「街にとって何がいいか」という観点で事業をすすめています。そのことがまちづくりにつながっています。

 


研究会の最後には、ゲストのお二人に「あなたが「あこがれる/めざすコーディネーター像は?」とお聞きしました。お二人の答えは以下の通りです。


富澤さん 「有情活理」

ゆうじょうかつりと読みます。意味としては、いくら理屈が正しくても人の心が伴わなければ人は動かないという意味でございます。情があってこそ理屈が活きる。どっちが先・後ということも関係なく非常に意識しています。

福原さん 「学而事人」
母校の創立者が言った言葉です。学びて人に仕えよ、学んだことを人のために活かしなさいということです。母校の人たちはみんなこの言葉を心にあると思うので、これを選びました。


3月3日、第5回まちだのコーディネーター研究会を開催します。

詳細・お申込みはこちらからご確認ください。
https://machida-support.or.jp/event/coordinate05/


▼これまでのまちだのコーディネーター研究会の開催レポートはこちら 

第1回 https://machida-support.or.jp/report/performance/coordinator_vol1/

第2回 https://machida-support.or.jp/report/performance/coordinator_vol2/

第3回 https://machida-support.or.jp/report/performance/coordinator_vol3/

特別回 https://machida-support.or.jp/report/performance/cordinatormarugoto/
(まちだのコーディネーター研究会@〇ごとつながりミーティング)

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